「投資診断士®」という資格をご存じでしょうか。
記憶に新しい老後2000万円問題を発端とし、近年は若年層の投資・資産運用に対する関心が非常に高くなってきている中、証券や不動産などといった投資手法に関して網羅的に知識を習得することができる資格として注目されています。
今回はこの「投資診断士®」について、基本情報や難易度、FP(ファイナンシャルプランナー)との違いも含めて詳しく解説していきます。
目次
投資診断士について

投資診断士とは
投資診断士の資格は「一般社団法人 投資診断協会」が運営・管理し、2019年2月からスタートした新しい資格です。
金融リテラシーが高くない方に対して、金融全般の正しい知識と投資手法が説明でき、投資家の金融リテラシー向上の手助けができる資格となっています。
具体的には、投資を検討している方、投資を検討しているが踏み出すのが怖い方、投資で後悔したくない方などに対し、投資についてアドバイス(啓蒙)をしていくための資格です。
NISAやiDeCoといった投資関連の制度や仮想通貨、自動売買などのITを活用した投資手法など、現代の投資トピックもしっかりカバーされています。
資格取得の流れ
資格取得までの流れは下の通りです。
簡単な流れ
- 受験申込
- 試験会場と日程の選択
- 教材到着・事前学習
- 資格試験
- 資格取得
では、それぞれについて簡単に内容を確認していきます。
受験申込
まずは投資診断士の申込サイトへアクセスし、必要事項を記入して申し込みを行いましょう。
試験会場と日程の選択
申込が完了すると、ご案内メールが届きます。
そのご案内メールからマイページにログインし、試験会場と日程を選択しましょう。
試験の日程は申込の3週間(21日)後から選択可能となります。
教材到着・事前学習
決済が完了したら、教材が発送されてきます。
試験に向けて、教材とメールで案内される動画を活用して学習をすすめましょう。
資格試験
試験当日になったら、予め指定した会場で受験します。
試験の合否はその場で通知されます。
資格取得
試験に合格すると、研修終了証と資格認定証が郵送されてきます。
また、名刺に掲載できる認定マークが研修動画ページで配信されますので、必要に応じて活用しましょう。

その他基本情報
その他の基本情報はこちらになります。
費用
研修受講料 36,300円(税込)
資格試験料 11,000円(税込)
合計 47,300円(税込)
上記費用には、研修教材の費用も含まれています。
また、資格は2年更新となっており、2年毎に資格更新料 22,000円が発生します。
教材
- テキスト 1冊
- 研修動画 360分
主な試験範囲
- 投資診断協会の基本理念
- 投資に関する基礎知識
- 株式投資
- 投資信託
- 不動産投資
- 生命保険
- 暗号資産(仮想通貨)
- 確定拠出年金(iDeCo)
- NISA・積み立てNISA
- ポートフォリオの考え方
- 投資診断士®とは
試験内容
試験時間 60分
選択形式の問題 60問
合格基準
100点満点中60点以上で合格
試験日程・開催場所
試験は全国260ヵ所のテストセンターで受けることができます。
また、会場や日時の選択については申込後に案内されます。
資格取得をおすすめしたい人とそのメリット

投資診断士の資格は、どんな人がどのような場面で活用できるのでしょうか。
ここからは、投資診断士の資格取得をおすすめする人とそのメリットについてみていきましょう。
金融系の職種
投資診断士の資格取得による恩恵を一番受けられるのが、金融系のお仕事をされている方でしょう。
資格取得者は名刺に正式なロゴを載せることができ、営業や接客対応時の説得力が増しますね。
比較的新しい資格ですし、話のネタとしても使えるかもしれません。
実際、投資診断士へのアンケートでは83%の方が仕事に活かせると回答したそうです。

金融系職種への就活を検討している学生や転職希望の社会人
既に金融系の職種で働いている方に限らず、これから銀行や証券、保険などといった職種に就きたいと考えている学生や転職希望の社会人にもおすすめです。
エントリーシートに記載しておけば面接時の話題の一つになるでしょう。
また、資格取得に当たっての学習がそのまま仕事にも活かせますし、業界研究の一環として取り組んでもみてもいいと思います。
投資を学び直したい投資家
既に資産運用に取り組んでいる個人投資家の学び直しにも有効です。
学ぶ内容は多岐に渡っているため、これまで取り組んできた運用方法はもちろん、自身が手掛けてこなかった投資対象・方法についても見直すいい機会になります。
しかも、資格保有者の特典としてZUU onlineプロフェッショナルプランを無料で活用できることに加え、資格保有者が参加できるセミナーも開催されますので、投資に役立つ情報がほしい方や投資仲間をつくりたい方にも非常におすすめです。
資格ハンター
投資診断士は2019年にできた新しい資格のため、資格ハンターの方にも紹介したいですね。
詳しくは後述しますが、難易度はそれほど高くなく、予備知識のない方でも比較的取得しやすい資格です。
また、若年層を中心として投資への意識が非常に高まってきている昨今ですので、投資にまつわる最新の情報取得や自身のマネーリテラシー向上の一環として取得を検討してみてはいかがでしょうか。
難易度や資格取得者の感想

難易度
投資の経験が全くない方にとって、資格取得の難易度については非常に気になるところですよね。
結論からお伝えすると、投資診断士の取得難易度はそれほど高くないです。
公式サイトでは、短期集中で学習すれば申し込みから最短3週間で取得可能とされていますし、学習方法もテキスト1冊と動画のみですので隙間時間を活用しての取得も可能となっています。
SNSでも資格取得者の声が散見されますが、難易度は高くないという感想が多いですね。
基本的には投資に対する知識全般を広く網羅するといったイメージです。
株式投資などをすでに行っている方であれば馴染みのある単語も多いと思いますので、理解が早いかもしれませんね。
資格取得者の感想と資格の活用
では、資格取得者はどのように投資診断士の資格を活用しているのでしょうか。
公式サイトにも資格取得者の声としていくつかインタビュー記事が載っていますね。

やはり、すでに金融関係に従事されている方や投資に関するコンサルといった仕事をしている方が多いです。
投資診断士という肩書は仕事での説得力を生むようですね。
また、投資診断協会からの依頼でセミナーに登壇したり、自身で企画して投資イベントを行ったりする方もいらっしゃいます。
一般社団法人
— 専業投資家【FXで馬】 (@FXdeuma) October 27, 2021
「投資診断協会」
正式講師としても
活動決定となりました😆
11月からちょくちょく
投資診断士Ⓡの資格
保有者さんに
セミナーをすると思います
宜しくお願いします☆#投資診断士 #専業投資家 #投資診断協会https://t.co/oQWspiPo3E pic.twitter.com/8w38qJRBG8
FP(ファイナンシャルプランナー)との違い

最後に、投資診断士とFP(ファイナンシャルプランナー)との違いについて触れておきます。
大きな違いとしては下記になります。
投資診断士とFPの違い
- 民間資格と国家資格
- ”投資”の専門家と”くらしとお金”の専門家
それぞれについて、もう少し詳しくみていきましょう。
民間資格と国家資格
一つ目は、民間資格か国家資格かの違いです。
投資診断士は一般社団法人 投資診断協会が認定している民間資格なのに対し、FP技能士(ファイナンシャル・プランニング技能士)は国家資格になります。
FP技能士の試験は、指定試験機関であるNPO法人 日本FP協会と、一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)が運営しています。
なお、少しややこしいのですが、FPの資格には他にもAFPやCFPといった民間資格もあります。
”投資”の専門家と”くらしとお金”の専門家
もう一つは、対象が『投資』か『くらしとお金』かという点です。
投資診断士は資産運用の制度や投資全般に関する知識を網羅的に深く習得して投資についてのアドバイスを行うのに対し、FPは主に個人や家族のライフプランに基づく将来的な資産設計や資産計画の提案やアドバイスといった内容が中心になります。
研修の項目としては似ている部分もありますが、投資診断士は投資に特化し、FPは家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度などといったお金に関わる幅広い知識の習得が必要です。
まとめ
以上、『投資診断士』について解説してきましたが、理解は深まったでしょうか。
2022年4月からは高校家庭科での「投資教育」も始まりますし、今後、投資に対する意識は一層高まっていくことが予想されます。
『投資診断士』の資格を活かせる場が大きく増える可能性もあり、非常に注目度の高い資格のうちの一つであることは間違いないでしょう。
何より、資格取得に向けて得た知識が自身の資産運用の際に活用できるという点も嬉しいですね。
資格取得による様々な特典もありますし、興味がある方はぜひチャレンジしてみてください!
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