「テーマ株」とは、話題になっている材料に関連する事業を行っていたり、関連する業界に属していたりといった企業群のことを指します。
テーマ株は投資家の注目度も高く、活発に取引される傾向にあるため、短期間での株価の上昇も期待できます。
このコーナーでは、話題のテーマに関連する企業の事業内容やテクニカル・ファンダメンタルズの現状などを確認し、投資判断に役立てていきたいと思っています。
銘柄選定の基準として、小資金の投資家でも検討できるという理由から『株価3,000円以下』としています。
今回は『デジタルトランスフォーメーション』に関連する銘柄である、こちらの企業を紹介していきます。

デジタルトランスフォーメーションについて
「DX」とも呼ばれています。
経済産業省が2018年12月にまとめた「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」によると、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とあり、デジタルを利用した変革全般を指すこともあります。
ビジネス環境の激しい変化に対応するために、データとテクノロジーを活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革することが必要との考えで、そのために既存の老朽化した基幹システムの刷新やクラウドサービスの活用などが進められています。
会社概要

経営理念
企業・人・データをつなぎ社会の発展に貢献する
事業内容
下記、株式会社テクノスジャパンの事業内容になります。
ERPソリューションサービス会社。基幹システム(ERP・CRM)関連事業(コンサル、グランドデザイン支援、要件定義・設計〜開発・保守)、デジタルトランスフォーメーション推進事業を展開。基幹システム支援はSAP・Oracle・Infor・B-eng等のベンダーが提供するERPパッケージをベースにコンサルティングと、ERPシステム導入支援・周辺ソリューション、データの分析・可視化サービス等(製造業顧客が中心)。デジタルトランスフォーメーション推進事業はIoT・ブロックチェーン・ビッグデータ・AIの活用支援。ERPxCRMxCBP(Connected Business Platform、独自プラットフォーム)の次世代DX事業を推進。2015年子会社の持つ解析技術によりZMPと資本業務提携。2016年フィスコ<3807>とFinTech分野で提携。2017年ビッグデータ・AI分野でNTTデータ・あいおいニッセイ同和損害保険と資本業務提携(子会社)。2018年持分法適用会社のテクノスデータサイエンス・エンジニアリングが上場(株式売却)。2019年RFID技術のRFルーカスに出資。主要取引先はSAPジャパン、NTN、伊藤忠テクノソリューションズ、アクセンチュア。
引用:マネックス銘柄スカウター
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テクノスジャパンは、企業向け経営・業務システムにおけるDX推進事業を行っています。
事業方針として「DX = ERP × CRM × CBP」を掲げており、具体的な事業内容としては以下になります。
- 企業向けDX(デジタルトランスフォーメーション)のコンサルティング
- 基幹システム(ERP)・顧客管理システム(CRM)・弊社サービス(CBP)を組み合わせたシステムグランドデザイン支援、ビジネスコンサルティング
- 要件定義、設計、開発・保守に至る一連のシステムサービス
ここで、主なサービスであるERP・CRM・CBPについて詳しくみていきましょう。
ERP(基幹システム)
ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し有効活用する経営手法のことです。
現在では、企業の基幹系業務を統合し、総合的な経営を行っていくためのシステムを意味します。
経営情報を一気通貫で一元管理可能なERPを活用して基幹システムを構築することで、企業グループ内の業務最適化を実現します。
CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)
企業のもうひとつの基幹情報である顧客情報を統合・一元管理することにより経営基盤の強化を支援します。
更にテクノスジャパンではCRMとERPの連携による更なる業務の効率化とエンゲージメント情報の活用促進を提案し、CRMの真の統合、そしてそれらを活用した経営戦略の実現を構想から導入、保守にいたるまでをワンストップで提供しています。
CBP(コネクティッドビジネスプラットフォーム)
企業間、サプライチェーン全体での最適化を目指すためには企業間データをシンプルかつ整合的に「つなぐ」ことが重要となります。
CBP(Connected Business Platform)は基幹システム(ERP/CRM)を企業間でつなぎサプライチェーン全体での効率化を実現するためのプラットフォームです。
CBPを介することにより、DX時代に最も重要となるビッグデータは分散/散逸することなく蓄積され、AI活用によるインサイト発見等に活用可能となります。
市場動向と今後

堅調な成長が期待されるERP・CRMビジネス市場
顧客の投資意欲は堅調で、ERP・CRMビジネス市場は右肩上がりの予測となっています。
ERP導入済みのお客様の再構築ニーズ、オンプレミス型からクラウド型への移行ニーズが高まっており、常に最新技術をフォローすることにより、顧客への最適なソリューションを提供していくとのことです。


新型コロナウイルスへの対応
直近のIT市場では、DX推進の必要性と新型コロナウイルス対策の両立がポイントとなっています。
現在は、「DX推進の必要性」や「新型コロナ対策としてのデジタル化需要」がありながらも、景気悪化によって企業のIT投資は抑制されている状態です。
そんな中、同社は以下のように両立を図ろうとしています。
- ERP・CRMは、ビッグデータ活用を含めたデジタルトランスフォーメーション(DX)対応型に変化していく
- ERP最大手、独SAP社の旧来型ERPのサポートを2025年から2027年へ延長:DX対応型への切替本格化もコロナ対策との両睨み
- 当社は、顧客のERP切替ニーズに対応しながら、CRM・CBPと組み合わせてDXを推進し、更なる付加価値を創出してビジネスの加速を目指す
また、現時点では前年度からの継続プロジェクトが多いため、新型コロナの影響は軽微とのことです。
今後は新型コロナウイルス対策の長期化が予想されるため、感染防止策に加え、事業への影響を最小限にとどめるよう対策をとりながら、この新型コロナウイルス対策によるデジタル需要を積極的に掘り起こし、新しいビジネス環境に柔軟に対応していこうとしています。
最後に、重点施策として掲げる次世代DX事業の実現に向けた三つの成長エンジンとして、以下を挙げています。

業績・指標

売上推移


緩やかに成長を続けていたものの、2020年3月期は大きく利益が減少しています。
売上高は昨年対比+10.1%の増収(過去最高)となっているのですが、営業利益は損失プロジェクト584百万円の費用負担が大きく影響しています。
当期純利益については先述の損失プロジェクトに加え、投資有価証券評価額減49百万も影響しています。

指標

7/3時点の株価は、785円です。
損失プロジェクトの影響もあり、ROEは2.69%と低くなっています。
業種的に、PER27.9倍はそこまで割高感を感じない水準ではあります。
また、昨年は期末に12円の配当を出していましたが、2021年3月期については、現時点では未定となっています。
チャート

7/3時点の週足チャートです。
コロナショックにより300円割れまで落ち込みましたが、4月以降はwithコロナによるDX(デジタルトランスフォーメーション)がテーマとして注目されるようになり、一気に値を上げています。
また、ここ2週間は出来高も急増しており、移動平均線も短中長期全てが上向きと変わりました。
ただ、ここまで上昇してしまうとなかなか手が出しづらいですね・・・。
まとめ
損失プロジェクトの影響により営業利益は大幅に減少していますが、来期以降については不採算案件再発防止へのプロジェクト管理の徹底を図っているようですので、V字回復が期待できそうです。
テーマへの関連度も非常に高い企業ですので、投資を検討してみる価値はありそうです。
以上、株式会社テクノスジャパンの銘柄紹介となります。
ここで紹介した内容は購入を推奨するものではありません。あくまでも、自己責任において投資判断をお願いします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。