株式投資を始めたばかりの方に、テクニカル分析を学ぶためのおすすめ書籍として『ど素人が読める 株価チャートの本』を紹介します。
チャートの基本から学びたい方におすすめですので、参考になれば幸いです。
目次
どんな本?

『ど素人が読める 株価チャートの本』では、チャートに関する基本的な読み取り方に加えて、3つの分析手法を用いたテクニカル分析を学ぶことができます。
その3つとは、「トレンド分析」「オシレーター分析」「フォーメーション分析」です。
聞き慣れない単語だと思いますが、それぞれの分析を行うことで次のようなことがわかるようになります。
3つの分析手法でわかること
- トレンド分析:株価の方向を探る
- オシレーター分析:勢いや売買タイミングを計る
- フォーメーション分析:株価の天井や底などを発見する
この3つのテクニカル分析を理解することで、どんな相場でも慌てずに対応することができるようになります。
株式投資を始めてぶつかる壁の一つに「チャートの見方がわからない」という点があげられると思いますが、本書ではそういった初心者でも理解できるよう、テクニカル分析の成り立ちから売買判断に至るまでをわかりやすく解説されているのが特徴です。
この本を読んでほしい人
『ど素人が読める 株価チャートの本』では、テクニカル分析とはどういうものなのかという基礎の部分から丁寧に解説されています。
テクニカル分析関連の書籍は数多くありますが、本書の特徴はチャート分析の手法や指標をただ羅列して説明するのではなく、初心者がすぐに実践できるような内容になっている点です。
テクニカル分析の指標は数が非常に多く、それぞれをしっかり理解しようとするとかなりの時間を要します。
初心者が全てのテクニカル指標を使いこなすのは非常に困難ですが、本書では主要な指標に特化されている上、知っているようで知らなかった内容も多いのでテクニカル分析の重要性が理解できると思います。
下記に、この本をおすすめしたい方の例を挙げてみました。
該当する項目が多い方は、ぜひ一度手に取ってみることをおすすめします。
この本を読んでみてほしい人
- これから株を始めようと思っているが、何から学んでいいかわからない人
- テクニカル分析の入門書を探している人
- 株価は業績に連動するんだからテクニカル分析は必要ないと考えている人
- いつも自分が購入した途端に株価が下落に転じる人
- 移動平均線とトレンドラインの違いを説明できない人
- ある程度の基礎知識は持っているが、成果に繋がっていない人
著者プロフィール
この本の著者である福永博之さんは、国際テクニカルアナリスト連盟国際検定テクニカルアナリストです。
また、株式会社インベストラスト代表取締役、日本テクニカルアナリスト協会副理事長も務めています。
勧角証券(現みずほ証券)を経てDLJdirectSFG証券(現楽天証券)に入社し、投資情報室長、経済研究所チーフストラテジストを経て独立されました。
株式関連のテレビ番組のレギュラーコメンテーターとして活躍するほか、証券会社、証券取引所、銀行などが主催する数多くのセミナーで講師を務めており、「四季報オンライン」や「ダイヤモンドZAI」など連載も多数あります。
概要

『ど素人が読める 株価チャートの本』の概要はこのようになっています。
主な目次
- テクニカル分析とは何か?
- 取引ルールの基礎となる3つの分析方法
- トレンド分析をマスターしよう①(トレンドラインと移動平均線)
- トレンド分析をマスターしよう②(モメンタム)
- オシレーター分析をマスターしよう(RSIとMACD)
- フォーメーション分析をマスターしよう(株価の天井や底)
- 3つの分析方法を組み合わせて好成績を狙おう
それぞれの項目に関して、簡単な内容や感じたことを書いていきます。
テクニカル分析とは何か?
まず第一章では、テクニカル分析の重要性について触れられています。
株価は企業の業績が良ければ右肩上がりで上昇していくわけではなく、業績が悪いからといって右肩下がりで下落を続けるわけではありません。
テクニカル分析のキモであるチャートから売買タイミングを見極めることが運用結果を大きく左右することになります。
例えば、「中長期投資のつもりだし、業績も良いからいつ買っても将来的には株価は上がっていくだろう」という考えでテクニカル分析をせずに購入したとします。
たまたま購入した時期が日経平均の高値圏で、これから下降トレンドに入っていこうとしているタイミングだった場合、業績が良い銘柄でも市場の地合いに引っ張られて株価が下がり続けるということは往々にして起こります。
株式投資における売買タイミングは非常に重要で、入り口を間違えば大きな損失の発生や塩漬けによる損失拡大に繋がってしまうため、テクニカル分析の知識をしっかりつけておきましょう。
取引ルールの基礎となる3つの分析方法
冒頭でも触れましたが、本書では3つの分析方法について解説されています。
基礎となる3つの分析方法
- フォーメーション分析
- オシレーター分析
- トレンド分析
この章では、なぜ3つの分析手法が重要なのかを理解するとともに、自身の売買判断におけるルールづくりに必要なものとしても紹介されています。
また、ローソク足の基本的な見方も詳しく図解されているため、初心者でも安心して読み進めていくことができると思います。
トレンド分析をマスターしよう①(トレンドラインと移動平均線)
テクニカル分析の中でも非常に重要で、本書の中で一番多くのページを割いて解説しているのが「トレンドラインと移動平均線」の章です。
日々の値動きに惑わされず、客観的に株価の方向が判断できるようになるのがトレンド分析ですが、ここではトレンドラインの引き方やトレンド判断の仕方、移動平均線を使った分析のメリット・デメリットなどが詳しく解説されています。
まず、株価のトレンドは2本のトレンドラインを使って判断する必要があり、その2本線の向き(チャンネル)を読み取ります。
この2本の組み合わせにもいろいろなパターンがありますので、本書ではひとつひとつのパターンを取り上げて解説しています。
また、移動平均線では日足・週足・月足といった期間ごとの移動平均線への理解やその活用方法が学べます。
「トレンドラインだけでは読み取りにくい部分を移動平均線で補う」というように、2つの指標を効果的に活用する方法も記載してありますので、トレンドラインと移動平均線への理解はこの1冊でかなり深まると思います。
トレンド分析をマスターしよう②(モメンタム)
モメンタムとは、「勢い」のことです。
モメンタムを理解すれば、トレンド分析で示されたトレンドに乗ってよいのか、あるいは見送った方がよいのかの判断などに役立ちます。
ここでは上昇値幅や下落値幅を基に分析する手法について説明されており、モメンタムの計算方法やシグナルとの関係についても触れられています。
モメンタムを参考にしての売買タイミングの見極め方や期間を調整して精度を高める応用編など、モメンタムに対してここまで詳しく解説している書籍もあまりないかなと思います。
トレンドライン・移動平均線と組み合わせて活用すればより効果的ですので、しっかり理解したい指標ですね。
ちなみに、モメンタムは初心者には聞き慣れない言葉ですし、計算して算出するのは難しそうと感じるかもしれませんが、大抵は各証券会社が提供する分析ツールで算出済のものが確認できますのでご安心ください。
オシレーター分析をマスターしよう(RSIとMACD)
この章では、オシレーター分析で使用する代表的なテクニカル指標である、RSIとMACDについて解説しています。
RSIは「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を判断するための指標で、売買判断の基準やRSIを使う際の注意点が図解されています。
一方のMACDは、トレンドと売買タイミングを両方分析できる優れものです。
そのMACDの基本と成り立ちまで理解した上で、RSIとMACDに共通するポイントや使い分けるポイントが詳しく解説されています。
読み取り方が複雑な指標ではありませんので、本書を読めば問題なく理解できるのではないでしょうか。
フォーメーション分析をマスターしよう(株価の天井や底)
フォーメーション分析は初心者から中・上級者まで誰でもチャートの形から分析できる手法で、株価特有の天井(=高値)や底(=安値)を見つける分析方法になります。
その形は、大きく分ける次の3つになります。
フォーメーション分析の形
- 天井圏で発生する形
- 安値圏で発生する形
- 株価の方向がはっきりしないときにできる形
この章ではそれぞれの形の中で見られるパターンの中から代表的なものをピックアップし、一つずつ丁寧に解説してくれています。
特に、「保ち合い」と言われるトレンドがはっきりしない場合の見極め方は学びが多く、読んでほしいポイントですね。
フォーメーション分析は形を覚えることが重要になりますので、本書を片手に実践を積みながら覚えていきましょう。
3つの分析方法を組み合わせて好成績を狙おう
最後はこれまで学んできた分析方法の組み合わせについてです。
どの分析方法にも一長一短がありますので、それぞれを補うように組み合わせることで好成績に繋がってきます。
ここではどのテクニカル指標をどのように組み合わせて活用すればよいのかが解説されており、組み合わせてはいけないテクニカル指標についても触れられています。
また、これまでの分析方法を踏まえて、事例を挙げながらより実践的なテクニックも詳しく説明されていますので、自身の取引にも取り入れやすいと思います。
まとめ
株式投資を行うにあたり、テクニカル分析は非常に重要です。
どんなに業績がいい銘柄でも、テクニカル分析をせずに売買タイミングを誤れば非常に大きな損失を出してしまうことになります。
本書はテクニカル分析の王道である「トレンド分析」に多くのページを割いてわかりやすく解説されていますので、テクニカル分析の入門書としては非常におすすめです。
自分が買ったら株価が下がり、売ったら株価が上がるという方は、ぜひ『ど素人が読める株価チャートの本』を手に取ってみてください。
この本のおすすめポイント
- テクニカル分析の中でも、初心者がしっかり理解しておきたい内容に特化している
- テクニカル分析におけるトレンドの重要性が非常によく理解できる
- 図や表を多く用い、実際の事例も豊富で初心者でも読みやすい
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