私は2017年9月に株式投資の世界に足を踏み入れましたが、これまでの2年少々の投資生活の中で大きな損失を出してしばらくヘコんだ取引が2回あります。
株を始めたポンコツ投資家の最初の4ヵ月間。という記事でも触れていますが、株取引を始めてからしばらくは損失に対してかなりナーバスになっていた為、損切りのタイミングは非常に早い傾向にありました。
この2回の取引については、そんな私が買値から20%を超えるまで損失を確定できなかった、金額的な損失と取引内容共に悪かった事例です。
なけなしの小資金で相場に挑んでいる弱小投資家にとっては、非常に高い授業料となってしまったわけですが、今回は買値から20%以上の損失を出した取引の共通点についてお伝えしていこうと思います。
大きな損失を出した理由
①一つの銘柄にこだわる

株価だけで判断
「銘柄に惚れるな」という格言がありますが、損失を広げた一つ目の理由は一つの銘柄にこだわり過ぎた点が挙げられます。
私が一番の損失を出した銘柄は、下記のような銘柄でした。
- 株価が非常に低い(いわゆるボロ株)
- 発行済株式数が非常に多い(いわゆるジャブジャブ)
- 小売業で、月次の売上が毎月非常に好調
当時は30万円ほどを運用していたのですが、「月次の売上が良いのにこんなに株価が安いならさらに上がるに違いない」と思い込み、総資産の50%にあたる15万円ほどをこの銘柄につぎ込んでいました。
株価が低い=安いと思ってしまっており、株価指標などはあまり見ていなかったのです。
買い下がる
しかも、この銘柄では損失を出す前に数回取引をして利益も出していました。
その為、下降トレンド入りしているにも関わらず「これが本に書いてあった”押し目”だな」と知ったかぶりをしてしまい、下がっていく度に「今が買い増し時だ!」と勘違いして保有枚数を増やしていきました。
今思うと完全にドツボにハマってしまっていますが、当時の心境としては「売上取れてるんだからそのうち上がるだろう」という安易な考えしかもっていませんでした。
②購入後のプランがない

予測を立てていない
基本、買いから入る投資家は誰しもが「この銘柄は上がる!」と期待してポジションをとるわけですが、私が悪かったのは購入後のプランが描けていなかった点です。
具体的には、以下のような点が非常に曖昧だった為、購入後の値動きに対して後手に回ってしまったと認識しています。
- 短期で捌くのか、中長期で保有するのか
- どの程度の値動きを想定していたのか(利益確定や損切りのタイミング)
こういった点を購入時に明確にしておけば、ここまで損失を広げずに済んだかもしれません。
今回の事例以外の取引でも、短期のつもりで購入したのにちょっと下がると中長期スタンスに変更したり、含み益が乗ってきたときに利益確定できず、最終的には株価が下がって損切りしたりといった事例がいくつかあります。
購入時はある程度の値動きやスタンスをイメージしておいた方が、想定を外れた時の対応がしやすくなるのではないかと思います。
③損切りが遅い

塩漬け
これは先ほどの「購入後のプランがない」という点にも共通しますが、どれぐらい下落したら損切りを実行するかという基準はある程度明確に設定した方が良いと思います。
購入する際に明確な理由やプラン設定をしていないことにより、下がってきた時に「今後もしばらく下がる」のか、「すぐに反転する」のかの判断がつかないまま、モジモジしながら株価を眺めていました。
その間にどんどん株価が下がってしまい、結果「塩漬け」という最悪な状態に陥ります。
株価が急落する場合はまだ気持ち的にもスパッと諦めて損切りできますが、ジリジリと下がっていく場合は「そろそろ反転するのではないか」という根拠のない期待で損失の確定が遅れてしまう傾向があります。
金額なのか買値からの下落率なのかは個人の考え方だと思いますが、ここまで下がってきたら機械的に損切りを行うという基準をあらかじめ設けておくことで、損切りの遅れによる損失拡大はある程度防げるのではないかと思います。
④SNSの情報に惑わされる

株は自己責任
最後に、初心者は特に注意が必要だと思われるのがSNSや株式投資関連の情報サイトの活用の仕方です。
始めたばかりの頃はYahoo!ファイナンスの掲示板やTwitterなど、他の投資家のコメントや考え方を知ることができるツールに思考が引っ張られて、自身の判断とは言い難い取引をしてしまうことがあると思います。
参考程度に確認する分には良いのですが、これらのツールで得た情報を全て信じてしまうと非常に危険です。


こういったコメントをみるとすぐに買った方が良いのかな?と思ってしまいがちですが、このようなコメントの裏には以下のような心理が働いていることも否定できません。
でもそのおかげで安く仕込めたので、買い煽りのコメントを多数投稿して株価が上昇したところで利益確定しよう。

買い煽ってなんとか買値付近まで戻して、損失を少なくしよう。

また、逆に買わない方が良いと助言してくれる人たちも存在します。


しかし、こういう人たちには次のような心理が働いている可能性もあります。


このように、それぞれのコメントの裏にはいろいろな心理が働いています。
大切なのは、しっかりと企業分析やチャート分析を行い、購入する理由を明確にした上で取引するという事です。
株は自己責任です。
他者のコメントを鵜呑みにして損失を出しても誰も助けてくれませんので、自身が納得する取引を心掛けましょう。
改善策

ここまでの損失拡大の要因を考慮し、どうすれば大きなダメージを受けるような取引を減らすことができるかを考えてみます。
売買ルールの設定
まず一つは、売買する際の基準となる数値を設定し、取引をルール化してしまう(売買ルールを設定する)事です。
売買ルールを設定することについては投資家によって考え方が分かれますが、私は株取引に対する自信と実績がつくまでは、少なくとも損切りの基準は設けた方が良いと思います。
具体的には、購入した時に損切りラインを決めてしまい、あらかじめ逆指値設定をしておくことをおすすめします。
逆指値を設定しておくことで感情を挟む余地がなくなり、決められた水準になれば機械的に損切りを実行することができます。
経験上、自身で対応しようとした場合は頭では損切りラインを決めていてもなかなか行動に移せず、「あの時ちゃんと損切りしておけばここまで損失が拡大することはなかったのに」と後悔することが多いです。
損失を広げることは次回以降の取引チャンスを失うことにも繋がりますので、売買ルールを設定して傷を最小限に食い止める様にしましょう。
想定外への対応
株式を保有している企業が、企業の業績や株価にとって悪材料となるIRを発表することがあります。
個人投資家は、アナリストや機関投資家といったプロが情報を得たタイミングよりかなり遅れて同じ情報を知ることになりますので、どうしても急落に巻き込まれることが多くなります。
兼業投資家などは、相場に張り付いて値動きをチェックすることは難しい為、対応は遅れがちです。
そうした場合でも、先ほどの”逆指値設定”をしておけば損失を最小限に食い止めることができます。
また、仮に逆指値設定をしていなかったとしても、余程値を戻すという自信がない限りは一旦損切りしてポジションを外す方が無難です。
市場には多くの企業が上場しており、下落を続ける可能性が高いような企業に固執する必要は全くありません。
想定外の下落などが発生した場合は、躊躇せずに損切りを実行して次のチャンスに備えましょう。
まとめ
今回は大きな損失を出した取引の要因についてお伝えしていきましたが、私自身、「市場に永く居続けられるようにする」ということを一番に考えています。
経験を積み続けることによって、時間はかかるかもしれませんがいつか成果はついてくると考えているからです。
市場に居続ける為には、今回取り上げたような「大きな損失を出す取引」を極力なくしていかなければなりません。
利益を伸ばすことも大切ですが、今回の記事が「損失を少なくする」という事について改めてよく考えるキッカケになれば幸いです。
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