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新株予約権とは?ストック・オプションとの違い

株式投資を行っていると、「新株予約権」や「ストック・オプション」といったワードを聞くことがあると思います。

この新株予約権を発行する目的は様々ですが、投資家にとって気になるのは、新株予約権の発行が株価にどういう影響を与えるのかという点だと思います。

今回は新株予約権がどういうものかを学びながら、株価への影響やストックオプションとの違いについても理解していきたいと思います。

新株予約権とは

新株予約権とは、あらかじめ決められた条件でその会社の株式を購入できる権利のことをいいます。

このあらかじめ決められた条件については価格(行使価格)期間(行使期間)などが該当し、行使期間を過ぎてしまうと権利が消滅します。

例えば、次のように設定されます。

・行使期間:2020年9月1日から2020年11月30日 

・行使価格:1,000円

この場合、期間内であれば現在の株価が2,000円となっていたとしても、行使価格の1,000円で株式を取得することができます。

株価が行使価格より高い水準のときに権利を行使し、取得した株式を売却することで利益を得ることができるというわけです。

逆に、期間中の株価が行使価格以下で推移した場合、新株予約権を行使しないという判断も可能です。

新株予約権の種類

新株予約権は、大きく4つの種類に分かれます。

  1. ストックオプション
  2. 社外向け発行
  3. 無償割当
  4. 有利発行

それぞれについて、みていきます。

ストックオプション

ストックオプションとは、自社の役員や従業員があらかじめ決められた価格で自社の株を購入できる権利のことです。

ストックオプションでの新株予約権の発行により、取得した役員や従業員は将来的な株価の値上がりによって利益を得られます。

業績拡大による株価上昇が自身の利益にも直結してくるため、役員や従業員はモチベーションの向上に繋がりますし、結果として企業価値や株主価値の向上に繋がってきます。

また、権利を行使できる期間を数年後に設定することで従業員の早期退職を防ぐことにもなります。

一方で、ベンチャー企業のように高額な報酬の支払いが難しい場合でも、ストックオプションの導入で優秀な人材を確保しやすくなるといったメリットもあります。

行使期間中に業績を拡大させ、株価を上昇させることで自身のインセンティブになるからです。

社外向け発行

社外向け発行は、資金調達が目的になります。

資金繰りに苦しむ会社でも返済の義務なく資金調達が可能であり、負債にもなりません。

しかし、新株予約権を発行しすぎてしまうと希薄化により株価が大きく下落してしまい、新株予約権が買ってもらえないということになりかねないので注意が必要です。

無償割当

無償割当とは、既存の株主に対して無償で新株予約権を発行することです。

先ほどの社外向け発行でも触れましたが、新株予約権は発行しすぎてしまうと株式の希薄化が起こり、1株当たりの利益が下がって株価が大きく下落するという事態になるため、結果として既存株主が大きな損失を被ってしまうことになります。

その損失を少しでも補うため、既存株主に対して無償で新株予約権を割当てることがあります。

有利発行

最後に有利発行です。

これは、特定の人や法人など、株主以外の第三者にとって有利な価格で株式を発行することです。

有利発行は株式の希薄化による既存株主の損失に繋がってくるため、発行を行う際は株主総会で特別決議による承認が必要となります。

新株予約権を発行する目的

新株予約権を発行する目的として、主に3つが挙げられます。

  1. ストックオプション
  2. 資金調達
  3. 買収防衛策

ストックオプションによるモチベーション向上や必要資金の調達といった点については先述しました。

ここでは、買収防衛策について触れておきます。

買収防衛策(ポイズンピル)

最近ではドラマ「半沢直樹」で買収が取り上げられていたのが記憶に新しいですが、買収には「友好的買収」「敵対的買収」の2パターンがあります。

敵対的買収は、経営陣の同意を得ずに過半数の発行済株式を買い集め、実質的に経営権を握る買収方法です。

この敵対的買収を防ぐために、友好関係にある第三者(ホワイトナイト)に新株予約権を発行しておき、買収されそうになったときに権利を行使して、買収先の株式占有率を低下させて買収を防ぐという方法があります。

これをポイズンピルといい、多くの企業はこういった状況に備えて対策を行っています。

新株予約権が株価に与える影響

新株予約権の発行は、目的や種類によって株価に対する影響が変わってきます。

一般的には、新株が発行されることで既存株式が希薄化し、1株当たりの価値が低下してしまうことで株価の下落に繋がることが多いです。

また、新株予約権によって得た株式を利益確定のためにすぐに売りに出すことで、株価が下落していくということもあります。

さらに、MSワラントでの新株予約権の発行になってくるとさらに下げ幅が大きくなったりもしますので、注意が必要です。

MSワラントについてはコチラの記事で詳しく取り上げていますので、ご興味があれば合わせてご覧ください。

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株価下落に繋がることの多い新株予約権ですが、株価に対してプラスに働くこともあります。

それは、ストックオプションでの新株予約権の発行です。

ストックオプションは業績拡大が役員や従業員のインセンティブとして跳ね返ってくるため、モチベーションの向上に役立ちます。

また、ストックオプションによる発行を選択したということは、業績の安定や今後の業績拡大に対する見通しが立っていると判断することもできますので、株価の上昇に繋がるケースもあります。

まとめ

投資家にとって、新株予約権の発行はマイナスに働くことが多いです。

しかし、一時的に株価の下落に繋がったとしても、調達した資金を有効に活用して中長期的に成長していくということも大いにありますので、すべてが悪というわけではありません。

ストックオプションのように、ポジティブに受け止められて株価が上昇していくケースももちろんあります。

大切なのは、新株予約権を発行する目的をしっかりと理解し、この新株予約権の発行が会社の今後にどういう影響を与えていくのかという点です。

保有株やチェック銘柄に新株予約権発行のIRが出たら、内容をよく確認して売買判断を行うようにしましょう。

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