株式投資をしていく中で、株価が”ストップ高”や”ストップ安”になっている銘柄を見かけたことはあるでしょうか。
ストップ高になっている銘柄は上限を超えた株価での取引ができませんし、ストップ安になっている銘柄は下限を超えた株価での取引ができません。
この上限・下限は「制限値幅」として定められています。
今回は、株式投資を行う上で知っておくべき知識として、「制限値幅」についてみていきましょう。
制限値幅とは?

意味
一日の売買における値動きの幅は、前日の終値を基準として上限・下限が決められています。
これを「制限値幅」と言います。
この「制限値幅」を設けることにより、株価の急騰や暴落といった激しい株価変動を防ぐ役割を果たしています。
ちなみに、ストップ高とは前日終値に対して値幅制限の上限まで株価が上がることを言い、逆にストップ安は前日終値に対して値幅制限の下限まで株価が下がることを言います。
ストップ高・ストップ安についてもう少し詳しく知りたい方は下記の記事をご覧下さい。
基準値段と制限値幅
制限値幅は、基準値段(前日終値)に応じて以下のように上限下限が決められています。

例えば、前日の終値が1,700円であった銘柄の制限値幅は±400円です。
この銘柄がストップ高になった場合の上限は2,100円となり、ストップ安の場合は1,300円が下限となります。
制限値幅の拡大

上記の制限値幅ですが、3営業日連続で以下の条件を満たした場合などは、臨時に制限値幅が変更されることがあります。
(1) ストップ高(安)となり、かつ、ストップ配分も行われず売買高が0株
(2) 売買高が0株のまま午後立会終了を迎え、午後立会終了時に限りストップ高(安)で売買が成立し、かつ、ストップ高(安)に買(売)呼値の残数あり”JPX(日本取引所グループ):内国株の売買制度”より引用
つまり、「3日連続でザラ場中の出来高がなく、ストップ高(安)の状態が続くこと」「3日連続でストップ高(安)比例配分*がないこと」となります。
この制限値幅の変更(拡大)が行われる場合、制限値幅は既定の2倍に拡大されます。
ただし、拡大についてはストップ高で上限のみ、ストップ安で下限のみです。
*「ストップ高(安)比例配分」とは、ストップ高(安)によって売りと買いの需給がどちらかに極端に寄っている場合に、その比率に応じて株価をつける方法です。詳しくはJPX(日本取引所グループ)のページをご確認下さい。
呼値

意味
制限値幅とは関係ありませんが、よく一緒に説明されるものとして「呼値」についても触れておきます。
「呼値(呼び値)」とは、売買注文をする際の値段の刻み幅のことをいいます。
呼び値の単位は、以下の表のように決まっています。

例えば、TOPIX100の構成銘柄で株価が20,000円であれば、取引は20,005円、20,010円・・・といった具合に5円刻みとなる為、20,006円などといった5円刻み以外の単位では取引ができません。
まとめ
制限値幅の表を覚える必要は全くありませんが、各水準の株価がどれくらいの値幅で動くのかを理解しておくことは大切です。
例えば、もしストップ安になったらどれぐらい損失を被る可能性があるのかをイメージすることもできますし、上限・加減で指値や逆指値を設定する際にも役立ちます。
ある程度取引に慣れてきたら、こういった細かい知識もつけて取引に活かしていきましょう。
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