ポンコツな私が投資に関する知識をつける為、「学ぶシリーズ」と題して様々な指標を掘り下げて学んでいきます。
今回は「ROEとROAの違い」についてです。
2つとも企業の収益性を確認する上で重要な指標ですが、どういった違いがあるかをみていきましょう。
おさらい

ROEとは
ROE(アール・オー・イー)は「Return On Equity」の略であり、日本語では「自己資本利益率」を指します。
このROEは、自己資本(株主資本)に対して企業がどれだけ利益を生み出すことができたかを示す財務指標となります。
詳しく学び直したい方はこちら ⇒ ROEについて学ぶ
ROAとは
ROA(アール・オー・エー)は「Return On Assets」の略であり、日本語では「総資産利益率」を指します。
このROAは総資産に対してどれくらいの割合の当期純利益を得ているかを表した指標となります。
詳しく学び直したい方はこちら ⇒ ROAについて学ぶ
それぞれの数値の基準
業種によって差がある為、一概には言えませんが、一般的には下記が優良銘柄の判断基準となります。
ROEが10%、ROAが5%を超えると優良
では、ここから本題であるROEとROAの違いについてみていきましょう。
ROEとROAの違い

ROEとROAの違いは、それぞれの計算式をみるとよくわかります。


分子は共に「当期純利益」となっており、違いは分母の「自己資本」と「総資産」の部分です。
これをみるとわかる通り、同じ収益性を示す指標でも分母に持ってくる資産の範囲が違う為、みる人の立場によって重視する指標が変わってきたりします。
投資家目線で考えると、自分が出資した資本からどれだけ効率的に収益を上げているかということでROEを重視するでしょうし、M&Aを検討している経営者は総資産に対しての収益性を重視してROAを強く意識したりもします。
どちらも収益性を示す指標ですが、こういった違いがあるという事は理解しておきましょう。
◆株主が出資した資本に対しての収益性を示す ⇒ ROE
◆企業の総資産に対しての収益性を示す ⇒ ROA
ROEだけでの収益性判断は危険

収益性を計る上で、注意することがあります。
それは、ROEだけで収益性を判断しないという点です。
ROEの計算式をもう一度確認すると、ROEを改善する為には当期純利益を増やすか、分母である自己資本を減らすことが必要になります。
ROEの計算式では負債の部分は反映されないため、多額の負債があっても数値は高くなります。
下記の例をみて下さい。
総資産1,000、自己資本100、当期純利益30の企業があったとします。
ROEは非常に高い数値となり、水準的には非常に魅力的ですが、ROAは優秀とは言い難い水準となっております。

いくら自己資本を効率的に活用できているとはいっても、これでは財務が健全であるとは言えませんよね。
このように、収益性を確認する際はROEだけで判断するのではなく、ROAや自己資本率なども含めて総合的に判断することが必要となりますので、注意して下さい。
まとめ
ROEとROAの違いは理解頂けたでしょうか。
どちらも企業の収益性を計る上では非常に重要な指標となりますが、他の指標同様、単体で判断するのではなく総合的な判断が必要になります。
成長株を探す上で、売上や利益が右肩上がりの株価が低迷している高ROE・高ROA銘柄を見つけることができれば、投資対象としては非常に魅力的です。
投資銘柄を探す際は、是非ROEやROAにも注目してみて下さい。
それぞれについてもう一度詳しく学びたい方は、こちらも是非ご覧下さい。
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