本日は、先日発表された2021年3月期 第2四半期の株式会社ジーニーの決算を見ていきたいと思います。
事業内容
まずは事業内容ですが、ここは前回(第1四半期)と同じです。
ジーニーは、ウェブサイトやスマートフォンアプリ上に各々の閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示させる技術であるアドテクノロジーを使って、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化させるシステム(プラットフォーム)を提供しています。
同社はリアルタイムにインターネット広告枠を取引できる技術であるRTB(Real Time Bidding)によってインターネット広告を配信しています。
RTBは広告の表示ごとにオークション方式で最も高単価な広告を配信する仕組みで、ユーザーがサイトにアクセスしてから選択された広告が表示されるまで、平均0.1秒以下という速さで行われているそうです。
ジーニーでは、下記のアド・プラットフォーム事業とマーケティングソリューション事業の2つに、「海外事業」を加えた3つの事業を行っています。

アド・プラットフォーム事業で参入しているSSP市場では、2016年度よりトップシェアを確立しています。
また、インターネット広告市場については毎年増加しており、2023年度には3兆円に迫る規模になると予測されています。

さらに、マーケティングソリューション事業を展開するデジタル・トランスフォーメーション市場においてもビジネスモデルの変革や新規ビジネスの創出により市場規模が拡大しており、2030年には2兆3,000億円の規模になると予測されています。

2021年3月期 第2四半期 業績概要
第2四半期の営業利益については、934万円の黒字化を達成しています。
また、売上総利益、経常利益、EBITDAも前年比でプラス着地です。
売上高のみ、収益性改善に努めたという理由で前年比マイナスとなっています。

事業別の業績ハイライト
それぞれの事業の業績ハイライトは下記になります。
数値は累計です。

トピック
トピックとして、以下の3点を挙げています。
◆DOOH
DOOH事業は主要事業者と連携しながら、引き続き新サービスや広告配信を展開しています。

◆Chamo(チャモ)リニューアル
自社開発のチャットボットツールである「Chamo(チャモ)」に、「カスタマー機能」「シナリオ機能」「EFO機能」を新たに搭載して大幅なリニューアルを行っています。

◆AI
GENIEE DSPにおいてAIを活用した自動入札機能の提供を開始しています。

通期業績見通し
通期の業績見通しは前回の発表通り、売上総利益25%成長、営業利益1.8億円の黒字化で変更ありません。
第2四半期は計画通り営業利益の黒字化を達成しており、引き続き、第4四半期の上場来最高額の売上総利益達成を目指すとのことです。

ポートフォリオマネジメントについては、DSPと海外事業が黒字化による利益貢献を開始しています。
また、DOOHとSaaS事業は投資を継続してシェア拡大を優先させる予定です。
ただ、SaaS事業は今期で大幅な投資は終え、来期は単年度の黒字および他社SaaS上場企業水準の売上高の達成を目指します。

引き続き、保有継続
今回、決算発表後に大きく売られている状況ですが、個人的にはあまり悲観していません。
やっと投資フェーズから次のステップに入るところかなという印象を受けています。
辛抱強く持っていれば報われる銘柄かなと思っていますので、引き続き保有を継続したいと思います。