ポンコツな私が投資に関する知識をつける為、「学ぶシリーズ」と題して様々な指標を掘り下げて学んでいきます。
今回は「PER」についてです。
目次
PERとは

意味
PER(ピー・イー・アール)は「Price Earnings Ratio」の略であり、日本語では「株価収益率」を指します。
このPERは、株価と会社の収益力(利益)を比較し、株価が割安かどうかを判断する為の指標となります。
同じく株価が割安かを判断する為の指標としてPBRが挙げられますが、どう違うかを知りたい方は下記の記事も読んでみて下さい。
算出方法
算出方法は、下記の2種類になります。

例えば、株価が500円、1株当たり当期純利益(EPS)が20円の会社の場合、「500÷20=25」となり、PERは25倍となります。
注意事項として、「1株当たり当期純利益(EPS)」は予想値を使用して下さい。
株価は将来の業績を見越して動いていく為、実績数値では有用性が低下してしまいます。
1株当たり当期純利益(EPS)の予想値については、会社四季報や決算短信の1ページ目に記載されています。
「1株当たり当期純利益(EPS)」は、必ず予想値を使用する
しかし、数値に関しては自身で計算しなくても各証券会社が提供するツールやYahoo!ファイナンスといったサイトで算出済のものをすぐに確認できます。
また、非常に効率的な企業分析ができるツールとしてバフェット・コードというサイトもご紹介します。
企業分析はこのサイトだけで済むというほど便利なサイトですので、是非活用してみて下さい。
数値の見方

数値の意味
PERは、投資資金を1株当たり当期純利益(EPS)で回収するのに何年かかるかを表しています。
先ほどの例でいうと、株価が500円、1株当たり当期純利益(EPS)が20円の会社の場合、PERは25倍でした。
これは、投資金額の50,000円(売買単位100株の為)を回収する為に25年を要するという事になります。
投資資金を回収するのにかかる期間は、25年より10年の方が良いですよね?
これが、PERが低い方が良い理由になります。
割安の基準
数値の見方ですが、どのくらいのPERが適当かについての基準はありません。
一般的には市場平均や同業他社との比較やその会社の過去の実績との比較によって割高・割安を判断しますが、東証一部の平均に近い15~20%を切ると割安とする場合が多いです。
一般的には15~20%を切ると割安と判断する場合が多い
数値が低ければ良い?
市場や業界によっても平均PERは大きく異なります。
下記は、2019年11月末時点の市場別・業態別(東証一部)のPER平均数値です。
過去の実績についても、日本取引所グループのHPで確認できます。


PERは株価が割安かどうかを判断する指標の為、数値が低いほど割安と判断できます。
しかし、資料を見るとわかる通り、業種によって平均値に大きく幅があります。
PERが25倍の「パルプ・紙」の会社は割安かもしれませんし、PERが13倍の「銀行業」だと割高と判断することもできます。
一般的な傾向としては、今後の成長期待が高い会社ほど株価が高くなります。
更なる株価の上昇を期待して、割高水準であっても購入する投資家がいる為です。
PER数値だけでなく、いろいろな指標や数値をみて総合的に判断することが大事。
その他注意事項

◆高PER銘柄
PERが高くても、今後の成長率が高ければ割安と判断できる場合もあります。例えば、IT関連は成長期待が大きい為、PER数値としては割高水準になりがちです。
◆特別損益
会社は、不動産の売却や不採算事業の清算など、いろいろな理由で単発の損益が発生する場合があります。特別損益がある年とない年では本当の企業の実力とはかけ離れたものになってしまう為、注意が必要です。
◆業績変動が激しい銘柄
業績変動が激しい銘柄については、1株あたり当期純利益(EPS)の変動も大きくなります。こういった銘柄の場合はPERでの割安判断が難しい為、他の指標を活用した方が良いでしょう。
◆赤字銘柄
赤字銘柄は1株当たり当期純利益(EPS)が「0」の為、PERの計算ができません。
まとめ
PERは、割安株投資を行う方にとっては、非常に重要な指標です。
ですが、数値が低ければ良いといったわけではない為、会社の成長性や他の指標と組み合わせて、総合的に判断するようにしましょう。
PERと同じく株価が割安かどうかを判断する指標として、PBRが挙げられます。こちらも是非、合わせてご覧下さい。
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