ポンコツな私が投資に関する知識をつける為、「学ぶシリーズ」と題して様々な指標を掘り下げて学んでいきます。
今回は「PBR」についてです。
目次
PBRとは

意味
PBR(ピー・ビー・アール)は「Price Book-value Ratio」の略であり、日本語では「株価純資産倍率」を指します。
PBRは、PER同様に株価が割安かどうかを判断する為の指標として用いられますが、算出方法や考え方は異なります。
PERについて学び直したい方は、下の記事を参考にして下さい。
算出方法
算出方法は、下記になります。

例えば、株価が500円、1株あたり純資産(BPS)が200円の会社の場合、「500÷20=2.5」となり、PBRは2.5倍となります。
1株あたり純資産については、会社が解散した時に株主に配分される資産になる為、「解散価値」とも呼ばれます。
こちらの数値に関してもPER同様、自身で計算しなくても各証券会社が提供するツールやYahoo!ファイナンスといったサイトで算出済のものをすぐに確認できます。
無料の分析ツールであるバフェット・コードというサイトも非常におすすめです。
数値の見方

数値の意味と割安の基準
PBRは、株価(時価総額)が、会計上の解散価値である純資産の何倍であるかを表しています。
一般的にPBRは、1倍を割ると株価が割安水準にあると判断されます。
これは、PBRが1倍を割っている場合「株価よりも、現時点で企業が解散した時に株主が受け取ることができる金額の方が大きくなる」からです。
例を挙げましょう。
1株当たり純資産(BPS)が750円のA社と250円のB社が、共に株価500円で解散すると仮定します。
その場合、それぞれの会社のPBRと株主に配分される金額は次の通りです。

イメージできたでしょうか?
現時点で解散すれば75,000円もらえるものが50,000円で買えるのですから、非常にお買い得です。
PBRが1倍というのは、帳簿上の純資産からみてその通りの価値であり、1倍を切ってくると割安であるという事が理解頂けたかと思います。
一般的には1倍を切ると割安と判断する
数値が低ければ良い?
PER同様、PBRも数値が低ければ割安と判断する指標です。
しかし、2020年1月10日現在でPBRが1倍以下の銘柄は1500社以上あり、全体の4割程を占めていることを考えると1倍を下回っていることはあまり珍しいことではありません。
割安水準だからといって全ての銘柄がお買い得なわけではなく、どうして割安な水準になっているのかを判断する必要があります。
PBRが低い理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 赤字である
- 赤字ではないが、含み損や業績の悪化による純資産の減少を株価が織り込んで下落している
- 優良企業だが、株式市場全体の調整局面に引っ張られて一時的に株価が大きく下がっている
- 不人気の為、株価が上がらずに放置されている
優良企業が全体の調整に引っ張られて株価が下がっている場合は絶好の買い場となりますが、含み損や業績の悪化を株価が織り込んで下落している場合は注意が必要です。
全体が上昇相場であるときにその銘柄だけ下落が続くような場合は、既に含み損や業績の悪化を察知した機関投資家などによって株価に織り込み始めている可能性がありますので気をつけましょう。
低PBRの見分け方
では、本当の割安株を見分けるにはどうすれば良いでしょうか。
純利益が低い倒産リスクを抱えた銘柄を避けて優良銘柄を探すには、業績や財務面の確認が必要になります。
それには、決算書の確認や先ほどご紹介した銘柄分析ツールの活用が効果的です。
主に確認する点としては、以下になります。
- 業績は良いか ⇒ 毎期黒字を計上しているか
- 借金が少ないか・フリーキャッシュフローの十分あるか ⇒ 倒産の危険性を回避する
- 営業キャッシュフローは毎期プラスか ⇒ 本業でしっかりと儲けが出ているか
この辺りをしっかり確認した上で、購入の検討に入りましょう。
PBRの2つの使い方
PBRは、割安な銘柄かどうかを判断するためのものだという事は理解して頂いたかと思いますが、割安な銘柄を見つけるだけではなく、チャート上での反転サインとして活用する方法もあります。
これは、優良な企業の株価が需給の影響で一時的に下がっているとき、PBR1倍にあたる水準で切り返して上昇を始めるというものです。
もちろん、他のいろいろな指標と組み合わせての総合的な判断になりますが、一つの節目として意識しておくことは良いと思います。

その他注意事項

◆1株あたり純資産は、あくまで帳簿上のものである
PBRは1株あたり純資産を使って求めますが、この1株あたり純資産はあくまでも帳簿上のものであるという点についても注意が必要です。
貸借対照表に載っている金額がそのままの金額で換金できるわけではありません。
保有する有価証券に含み損があったり、不動産等の価格によって純資産は変動しますので、注意が必要です。
◆高PBR
PBRは、株価と純資産によって求められます。
ですので、今後の成長期待が高い為に株価が上昇した銘柄なども高PBR銘柄となってしまいます。
これは高い成長性を背景とした株価の上昇につられたに過ぎない為、今後も多くの利益を出し続けるのであれば将来的にPBRも下がってきます。
高PBRは全て割高として見向きもしないのではなく、高PBRになっている理由を考えることも重要です。
まとめ
PBRもPER同様、割安株投資を行う方にとっては非常に重要な指標です。
ですが、短期的な株価の変動に対しては向かず、将来の成長性も反映しにくい為にPBR単独で株式の購入を判断するのは危険です。
PERが異常値となった際の補完的な使い方など、他の指標と合わせて活用すれば非常に効果を発揮する指標ですので、うまく活用しましょう。
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