2021年6月25日、楽天証券からマーケットスピードⅡ RSSが登場しました。
このマーケットスピードⅡ RSSを活用すれば、アイデア次第で自分だけのオリジナルトレーディングツールをExcel上でつくることが可能になります。
「株価やマーケット情報をExcelで管理したい」「自分好みのシートで自動売買がしたい」という方にとって、自由度高くトレードを楽しむことができるマーケットスピードⅡ RSSの登場は非常に嬉しいニュースですね。
今回は、実際にExcelシート上に必要な情報を反映させるための基本的な手順について、解説していきます。
マーケットスピードⅡ RSSについて

利用を開始するための準備
マーケットスピードⅡ RSSを利用するためには、マーケットスピードⅡへログインする必要があります。
そのため、マーケットスピードⅡをまだインストールしていない場合は、インストールを済ませておきましょう。
その後、マーケットスピードⅡ RSSを利用するために必要な設定を行い、利用開始となります。
必要な設定についてはコチラの記事に画像付きで手順を解説していますので、参考にしてください。
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エクセルで株価を自動更新!自作シートにリアルタイムで株価を取得するための設定方法
続きを見る
利用できる機能
マーケットスピードⅡ RSSに搭載されている機能は、4つに分類されています。
搭載機能
- 投資情報の取得機能
- チャート情報の取得機能
- 注文約定情報の取得機能
- 注文機能
それぞれの細かい内容は次の通りです。

このように多彩な情報を取得することができる上、取得した情報はExcel上で自由に編集・配置可能です。
既存の取引ツールやアプリでは難しいことも、Excelなら自分が使いやすいようにアレンジすることができますね。
RSSアイコンの説明
Excel上に表示されるRSSアイコンの説明です。

RSSとサーバーの接続状態を表しており、未接続だとRSSが使用できません。アイコンを押すと接続状態を変更できます。

RSSからの発注が可能かどうかを表しており、「発注不可」だと発注機能が利用できません。発注機能を使用するには、アイコンを押して「発注可」に変更します。

投資情報をExcelのセル上に登録する画面を起動します。国内株式、先物OP、指標、為替レートなどのリアルタイム情報を取得することができます。

チャート・テクニカル指標の情報をExcelのセル上に登録する画面を起動します。国内株式、先物OP、指標、為替レートの4本値情報、テクニカル指標情報などリアルタイム、ヒストリカル情報を取得することができます。

注文約定、保有銘柄、信用建玉などの照会情報をExcelのセル上に登録する画面を起動します。約定一覧、注文一覧、建玉一覧といった取引照会情報を取得することができます。

①更新間隔の設定、②RSSの設定、③マーケットスピード II RSS関数への置換(マーケットスピード RSSユーザー向け)があります。

余力情報を手動更新する際にアイコンを押します。
銘柄数・関数の利用上限
取得できる情報の数には上限があります。
市況情報(国内株式)、市況情報(先物OP)、市況情報(指標)、市況情報(為替レート)の合計で表示可能な銘柄数上限は500となっています。
また、歩み値やチャート情報、保有銘柄一覧など、使用可能な関数にも上限があります。
詳しく確認したい場合は、楽天証券のサイトをご確認ください。
Excelシートへ数値を反映させる

株価を反映させるまでの流れ
準備が整ったら、まずは基本となる「現在値」の登録を例に、流れを確認してみましょう。
「投資情報」のアイコンをクリックすると、下のような登録画面が出てきます。

今回は例として、「A1」セルに楽天【4755】の「現在値」を反映させてみます。
登録画面での流れは下の通りです。
「現在値」登録までの流れ
- 登録画面の関数指定で「市況情報(国内株式)(RssMarket)」を選択
- 銘柄コードで「直接入力」か「セル参照」のどちらかを選択し、「直接入力」では銘柄コードを、「セル参照」ではセルを入力
- 取得項目で「現在値」を選択し、貼り付け方法を指定する(横方向か縦方向か)
- 表示開始セルで、表示させるセルを指定する
- 「登録」をクリック
この流れに沿って、「A1」セルに楽天【4755】の「現在値」を反映させようとすると、登録画面は下のようになります。
*例では「直接入力」を採用しています

そして、Excel上ではこのように表示されます。

感覚的にわかりやすい登録画面になっており、初見でも問題なく登録できるかと思います。
「直接入力」か「セル参照」かはお好みで
登録画面の銘柄コードで選択できる、「直接入力」と「セル参照」についてもう少し詳しく触れておきます。
「直接入力」の場合は、登録画面に銘柄コードを入力し、市場は「東証」を選択します。
一方、「セル参照」の場合は数値を表示させたいセルとは別に、参照したいセルを指定して、その指定したセルに銘柄コードを入力することになります。
その際、指定したセルには「○○○○(銘柄コード).T」と入力する必要があります。
なお、東証を表す”T”は省略することも可能です。
実際にそれぞれの方法で黄色セルに「現在値」を反映させた場合、下のようになります。
◆「直接入力」
登録画面で銘柄コードを入力すれば、現在値が反映される

◆「セル参照」
黄色セルに現在値を反映させるためには、水色セルに銘柄コードを入力する
*黄色セル:「銘柄コード」で指定したセル
水色セル:「表示開始セル」で指定したセル

『直接入力』と『セル参照』の使い分けについては、こちらの記事でより詳しく解説しています。
合わせてご確認ください。
続きを見る
【株×Excel】マーケットスピードⅡ RSSの銘柄コード入力_『直接入力』と『セル参照』の使い分け
RSSの活用例

監視銘柄の情報をまとめてみる
登録方法が分かったところで、実際にExcelにマーケット情報を反映させてみましょう。
まずは手始めに、自身が取得したい情報だけをピックアップし、監視銘柄の日々の動向を終えるようなシートをつくってみたいと思います。
今回は例として、下のような情報を抽出してみます。
- 銘柄名称
- 現在値
- 前日比
- 前日比率
- 出来高
- 配当
登録画面で必要な情報を入力していくと、下のようになりました。

今回は「セル参照」を活用し、A1セルに銘柄コードを入れれば横方向に指定した情報が反映されるようにしました。
銘柄数を増やしたい場合、関数部分を下方向にコピーすればすぐに対応できます。

コピーした行までのA列に銘柄コードを入力すれば、銘柄ごとの同じ内容の情報がすぐに反映されます。

この状態だと見づらいので、少し手を加えてあげましょう。

そして、ここからがExcelの強みです。
「現在値」と「配当」を抽出したことで、「配当利回り」を算出することが可能になります。
「配当」÷「現在値」の数式を入力すると、すぐに算出することができました。

このように、抽出した数値から取得できない情報を新たに算出することができるというのが、Excelを活用する最大のメリットですね。
数値が指定の水準になったときに色で知らせるなど、アイデア次第でいろいろな活用もできます。
また、監視銘柄のように不定期で追加や削除といった銘柄の入れ替えが発生する場合は、登録画面の「セル参照」を活用してフォーマット化しておくと便利です。
サンプルシートを使ってみる
何からどう手をつければよいかわからないという方は、まずは楽天証券が提供してくれている「サンプルシート」を活用してみるのもおすすめです。
サイト上で、次の3つのサンプルシートをダウンロードすることができます。
サンプルシートの種類
- 国内株ー先物OP発注サンプルシート
- TOPIX100構成銘柄サンプルシート
- 一括発注・トリガー発注サンプルシート
例として国内株-先物OP発注サンプルシートを確認すると、このようになっています。

①「銘柄コード」の黄色セル部分に注文したい銘柄のコードを入れると、こうなります。

一瞬で左側の情報が埋まりましたね。
各証券会社が提供している取引ツールと同等の情報が、すぐに取得できることが理解頂けたでしょうか。
このように、マーケットスピードⅡ RSSは使い方次第で既存の取引ツール以上の快適なトレードを行うこともできるということがイメージできたのではないかと思います。
このサンプルシートの使い方にも簡単に触れておくと、流れとしてはこのようになります。
簡単な流れ
- 「銘柄コード」を入力
- 「発注IDセットボタン」をクリック
- 黄色セルを入力
- 「発注ボタン」を入力
シートに番号が振ってあるので問題ないかと思いますが、上記を全て設定しても、アイコンが「発注不可」になっている場合は発注が行われないので注意が必要です。

なお、活用する場合は「目次」シートに記載されている注意事項をしっかり確認し、使用方法をよく理解した上で活用しましょう。

まとめ
マーケットスピードⅡ RSSの登場により、Excelでの情報取得・管理が非常に容易になりました。
各証券会社が提供している既存の取引ツールでは難しかったことも、活用の仕方次第では可能になります。
始めは必要情報を反映させての情報管理などが主になるかと思いますが、慣れてくればシステムトレードに挑戦してみてもいいですね。
楽天証券の口座をお持ちの方は無料で使用できますので、使ってみたい方はこの機会にダウンロードしてみてください。
Excelを活用し、自分だけのオリジナルツールでトレードや銘柄分析をより便利に行いましょう!
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