ここ数年、資産運用に対する意識の高まりとともに、IPOが非常に盛り上がりをみせていますね。
しかし、IPOについてはどうしても資金力のある投資家が有利です。
私を含めた入金力のない小遣い制サラリーマンにとって、限られた運用資金の中で個別株やインデックス投資を行いながらIPOでの当選を目指すというのはなかなか難しいというのが現状かと思います。
ですが、そんな状況でも参加しないことにはチャンスは生まれません!
そこで今回は、IPO投資がしたい小資金の小遣い制サラリーマンへおすすめの方法について、まとめてみたいと思います。
小資金の個人投資家はIPOに注力すべきではない!?

小遣い制サラリーマンの多くが、小資金・入金力なしの限られた余裕資金の中で運用を行っていると思います。
そんな状況だと、運次第で大きなリターンを狙えるIPOは非常に魅力的に映りますよね。
しかし、私は入金力のない小遣い制サラリーマンは小資金であるが故に、IPOには注力するべきではないと考えます。
IPOへの参加は薦めますが、全力投球するのはおすすめしないという感じです。
まずはその理由についてみていきましょう。
貴重な運用資金が拘束される
まず一つ目の理由は、参加する際にまとまった資金を用意しておかなければならないという点です。

通常、IPOに申し込む際には抽選資金をあらかじめ入金しておく必要があります。
申し込んでから抽選までには数日から長ければ2週間ほどの期間を要しますので、その間は抽選資金を活用することができません。
また、気になる複数の銘柄が同時期に上場を予定している場合、全ての抽選に参加するには対象全銘柄分の資金が拘束されることになります。
小資金の投資家にとって資金の拘束は非常に効率が悪いので、IPOだけに注力していると個別株やインデックス投資といった他の運用での機会ロスが発生してしまうという点には注意が必要です。
注意ポイント
IPOは資金が拘束されるため、機会ロスが発生するなど資金効率が悪くなる可能性がある
IPOに応募するために、その都度保有していた株式を売却して資金を捻出するといった方法をとる方もいますが、非常に手間もかかりますし、利益の最大化や手数料等の観点から考えても避けた方がよいでしょう。
小資金では優遇措置を受けづらい
IPOの抽選方法は、取り扱っている証券会社によって異なります。
割り当てられている全ての株数を平等に抽選してくれるとありがたいのですが、中には取引金額や証券口座への入金額などによる優遇措置がとられている場合があります。
一般の個人投資家、特に小資金の投資家はこういった優遇の対象から外れることがほどんどなので、潤沢な資金を持っている投資家がどうしても有利になりますね。
注意ポイント
資金に限りがある小資金の個人投資家は、優遇措置の対象になるのが難しい
手間と時間がもったいない
IPOでの当選確率を上げる方法の一つに、「多くの証券口座から申し込む」という点が挙げられます。
しかし、朝から晩まで働いているサラリーマンにとって、IPOのスケジュール管理や多過ぎる抽選申込作業は非常に負担です。
当たったらラッキーという宝くじのようなIPOに多くの時間を費やすのであれば、株式投資の勉強に時間を充てた方が良いのではないかなと思います。
注意ポイント
かける時間と労力に対して、リターンを得られる確率が低過ぎる
小資金のサラリーマンが実践しやすいおすすめの方法

ここまで述べてきた通り、IPOだけに集中することは資金的にも時間的にも効率的ではありません。
しかし、IPOは参加しなければチャンスすら生まれないというのも事実です。
ですので、ここからは資金が少ないサラリーマンでも実践しやすいIPO投資の方法について紹介していきます。
前受金不要の証券会社を活用
通常、IPOへの参加の際は抽選資金としてあらかじめまとまった資金を口座に入金しておく必要があるのですが、一部には前受金不要でIPOに参加できる証券会社があります。
こういった証券会社に口座を開設しておくことで、資金の拘束を避けながらIPOに参加することができるようになります。
具体的には、限られた元金は個別株やインデックス投資などで運用を行い、同時にIPOへの抽選申込も継続して行うということです。
IPOの当選は頻繁に起こることではないですし、運よく当たった時だけ資金を移動させることで限られた資金を効率よく活用することができます。
ポイント
前受金不要の証券会社に口座を開設し、IPOに参加しながら効率よく資金を活用する
単元未満株を活用
小資金のサラリーマン投資家にとって単元未満株は非常に相性が良く、最近は取り扱う証券会社も増えてきました。
そんな中、単元未満株でIPOに参加できるサービスを提供する証券会社も出てきており、チャンスが広がってきています。
単元未満株であれば通常より少ない資金でIPOに参加できるため、小遣い制のサラリーマンにとっては参加のハードルがグッと下がりますね。
有効に活用したいところです。
ポイント
資金に余裕がない場合は、単元未満株が活用できないか確認する
SBI証券でチャレンジポイントを貯める
この方法はIPOを中心に資金を活用したい方向けですが、SBI証券で根気よく応募を続けてチャレンジポイントを貯め、勝負どころでの当選に備えるといったやり方もあります。
SBI証券にはIPOチャレンジ制度というものがあり、抽選に外れることで付与される”IPOチャレンジポイント”を利用して当選確率を上げることが可能です。

SBI証券は抽選申込時に事前入金が必要ですので、申し込み時に資金を確保しておかなければなりません。
しかし、IPOチャレンジポイント制度は非常に魅力的なサービスですので、IPOを中心に株式投資と関わっていきたいということであればSBI証券の活用が第一候補に上がってきます。
ポイント欲しさに外れるをこと期待する個人投資家が少なくない点も、この制度の面白いところですね。
ポイント
チャレンジポイントをもらうために、SBI証券から根気よく応募を続ける
具体的に実践すること

方法がわかったところで、ここからはもう少し掘り下げて具体的な取り組み方についてまとめておきます。
下記の内容を実践し、IPO投資をスタートさせましょう!
前受金不要の証券会社で口座開設しておく
事前資金を準備せずにIPO投資を始めるには、まず、前受金不要の証券会社で口座を開設しなくてはなりません。
IPOを取り扱っている証券会社は多くありますが、前受金不要で応募できるのは一部に限られます。
開設済の証券会社が前受金不要であれば問題ないですが、対応していなければ新たに開設する必要がありますね。
以下、私自身も活用している前受金不要でIPOに参加できる証券会社をご紹介しますので、参考にしてみてください。
岡三オンライン証券
岡三オンライン証券は、大正12年創業の岡三証券を中核とする岡三証券グループの中で、ネット取引専門として設立された証券会社です。
抽選はステージ制を採用し、乱数によって公平に行われるため、証券口座への入金額や取引額に関わらず誰でもチャンスがあります。
また、前受金不要でIPOに参加できるというメリットに加えて、取引ツールの評価が非常に高いのも特徴ですので、口座開設後は分析ツールも活用しましょう。

SBIネオトレード証券
SBIネオトレード証券は、2021年1月1日にライブスター証券から社名を変更した証券会社です。
ライブスター証券時から前受金不要でIPOに参加することができたのでおすすめでしたが、SBIグループに入ったことで今後はIPOの取扱い数が増えることが予想されます。
口座開設数も大手ネット証券と比べて多くないので競合も比較的少なく、今後、IPO投資を行う上では口座開設必須の証券会社になっていきそうですね。

松井証券
松井証券は大正7年に創業した歴史と実績のある老舗の証券会社です。
情報の読みやすさやわかりやすさを大事にしており、比較的高い年齢層の個人投資家へのサービスに強みを持っています。
顧客サポートに定評があり、信頼も厚い証券会社です。
DMM株
DMM株は信用取引や米国株に力を入れている印象ですが、実は前受金不要でIPOに参加できる証券会社の一つです。
前受金不要であることをあまり謳っていないこともあって、知らない方も多いみたいですね。
そのため競合が少なく、口座開設数もそこまで多くないので、前受金不要でIPO投資に参加できる穴場的な証券会社として非常に魅力的です。
ぜひ、口座開設をしておきましょう。

上場スケジュールを管理する
必要な口座開設を済ませ、次に問題となるのがIPOのスケジュール管理です。
証券会社ごとに取り扱うIPO銘柄が違うため、どの証券会社でどの銘柄を扱っていて、いつ参加申し込みできるのかといった情報の把握・管理をしておかなければなりません。
サラリーマンは本業が忙しくてIPOの上場スケジュールまで管理するのは大変ですし、気づいたら申し込み期間を過ぎていたということにもなりかねません。
せっかくのチャンスを無駄にしないように、これからご紹介するツールなどをうまく使いながらスケジュールをしっかり管理していきましょう。
IPOに特化したサイトを活用する
ここ数年、IPOの件数は年間100件近くで推移しています。
この件数を個人で取り扱い証券会社まで含めて管理するのは非常に手間ですので、必要な情報をまとめてくれているIPOに特化したサイトを有効に活用しましょう。
こういったサイトには上場予定企業の情報や初値予想なども記載されていますので、参考にしてみても良いと思います。
私もよく利用させて頂いているサイトを2つご紹介しておきますね。
個人的には、IPOスケジュールはもちろん、上場後の動向などもこちらでチェックさせて頂いています。

こちらのサイトでは、主に上場予定の企業の情報を中心に確認させて頂いています。

手帳やアプリで申し込み期間を管理する
上記のサイトでスケジュールを確認したら、手帳やスケジュール管理アプリに反映させておきましょう。
各証券会社に定期的にログインするより、IPO特化サイトで情報をまとめて取得し、自身が確実に確認するスケジュール管理ツールで情報を整理しておけば申し込みを忘れてしまうということも防げます。
なお、庶民のIPOサイトでは独自のIPO管理帳も提供していますので、こちらの活用もおすすめです。
IPOに参加するチャンスを逃さないために、スケジュール管理は手間を惜しまずにしっかり行うようにしましょう。
まとめ
IPO投資は、初値売りで利益をとりにいく手法が一般的です。
もちろん、公募割れによって初値で売っても損失を出してしまうケースがありますが、先ほどご紹介したサイトなどで参加銘柄を選別すればリスクを軽減できます。
銘柄によってはローリスクハイリターンが望めますので、諦めずに参加を継続していくことが重要ですね。
まずは前受金不要の証券会社で口座開設し、早速IPO投資を始めてみましょう!
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