20~30代といった若い世代にも資産運用の考えが浸透し始めている昨今ですが、皆さんは自身のポートフォリオをどうやって管理していますか?
ほとんどの方が、各証券会社のサイトや取引ツールで日々の値動きを確認しているのではないかと思います。
しかし、口座を持っている証券会社のサイトや取引ツールの保有株欄に自分が確認したい項目が載っていなかったり、複数口座に分けて売買をしているためそれぞれのサイトに毎回ログインしなければならなかったりといった悩みをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回はそういった悩みを解決すべく、エクセルを使って自分好みにポートフォリオを管理する方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
エクセル管理が格段に楽になる必須ツール

始めに、エクセルでポートフォリオの管理を行うにあたって必ず導入しておきたいツールを紹介します。
いきなりですが、質問です。
エクセルでポートフォリオを管理しようと考えたとき、一番面倒な作業は何でしょう?
そう!それはマーケットの最新情報を全て自身で更新しなければならないという点です。
保有している銘柄を一覧にしているだけでは、その銘柄が含み益なのか含み損なのかもわかりません。
これではポートフォリオの管理とは言い難いですよね。
この入力の手間を省くために導入しておきたいのが、楽天証券が提供している『マーケットスピードⅡ RSS』です。
楽天証券のRSS使用で作業負担を大幅に軽減
楽天証券が提供しているマーケットスピードⅡ RSSは、マーケットの情報をリアルタイムにエクセル上に取り込んでくれるサービスです。
このサービスを利用すれば毎日最新の情報を自身で入力するという手間が省けますので、大幅な作業負担の軽減に繋がります。
しかも、楽天証券の口座を所有しているだけで無料で利用できるため、ぜひ活用したいですね。
楽天証券のマーケットスピードⅡ RSSの使い方や設定方法については下の記事にまとめていますので、合わせてご確認ください。
ポートフォリオを管理する

では早速、ポートフォリオを管理していきます。
ここからは楽天証券のマーケットスピードⅡ RSSの活用を前提に進めていきますので、口座をお持ちの方はマーケットスピードⅡのダウンロードを、まだ楽天証券の口座をお持ちでない方は口座開設をした上でご確認ください。
\口座をお持ちでない方はこちら/
管理したい項目を考える
まずは、管理したい項目を考えましょう。
一般的な項目としては、次のようなところでしょうか。
一般的な項目
- 銘柄コード
- 銘柄名称
- 保有数量
- 平均取得単価
- 現在値
- 時価評価額
- 評価損益率
- 評価損益額
上記以外でも、市場や時価総額、配当・決算発表日などを組み込んでもよいでしょう。
また、数式を使ってアレンジできるというエクセルの強みを活かし、マーケットスピードⅡ RSSで取得した情報から自身が組み込みたい数値を算出するということも可能です。
項目はあとから足すこともできますので、まずは基本となる項目を使ってフォーマットを作成してみましょう。
なお、マーケットスピードⅡ RSSの基本的な操作方法は下の記事にまとめていますので、合わせてご確認ください。
続きを見る
Excelで自分だけの株取引ツールをつくる!マーケットスピードⅡ RSSで株価をリアルタイムに取得
フォーマットを作成し、RSSを設定する
では、フォーマットを作成していきます。
始めに、項目を最上部の行に入力しましょう。

入力が完了したら、マーケットスピードⅡ RSSから取得できる項目を反映させていきます。
この中だと、”銘柄名称”と”現在値”がそれに当たりますね。
マーケットスピードⅡ RSSで情報を取得する際は、まず「投資情報」アイコンをクリックしてダイアログボックスを表示させます。

ダイアログボックスが表示されると、「直接入力」と「セル参照」という二通りから銘柄コードの入力方法を選択できます。
「直接入力」は銘柄コードを入力して抽出したい情報のみを反映させたい場合に使用しますが、おすすめの入力方法は「セル参照」です。

「セル参照」を選択しておくと、あらかじめ決めておいたセルに銘柄コードを入力するだけで、そのセルに紐づけたセルへ情報が反映されます。
文章ではわかりづらいかもしれませんので、図を使いながら進めていきましょう。
赤枠(A2セル)に銘柄コードを入力すれば青枠(B2セル)に”銘柄名称”が反映されるようにする場合、ダイアログボックスの入力は下記のようになります。

同じように、今度は赤枠に銘柄コードを入力したらE2セルに”現在値”が反映されるようにします。

マーケットスピードⅡ RSSから情報を取得するための設定はこれで完了です。
次に、”時価評価額””評価損益率””評価損益額”のセルに数式を入力します。
それぞれの計算式はこちらになりますね。
ポイント
◆時価評価額(円)= 保有数量(C2セル)×平均取得単価(D2セル)
◆評価損益率(%)= (保有数量(C2セル)×現在値(E2セル))÷時価評価額(F2セル)ー1
◆評価損益額(円)= (保有数量(C2セル)×現在値(E2セル))ー時価評価額(F2セル)

ここまでくれば、あとは保有している銘柄の”銘柄コード””保有数量””平均取得単価”を入力するだけです。
下記、水色でハイライトしたセルですね。

では例として、【7203】トヨタ自動車を100株、9,500円で保有していたと仮定して表に入力してみましょう。

全て反映されました。
ただ、このままでは少し見づらいので、コンマの表示や小数点以下の位調整、マイナス時の色を統一するなど、細かいところを整えた方がいいですね。
下の記事も参考になると思いますので、合わせてご覧ください。
銘柄が増えたら、設定をコピーする
一銘柄分の設定が完了したら、保有銘柄が増えたときに備えて設定をコピーしましょう。
エクセルでは、「フィルハンドル」を使って一気にコピーすることができます。
*フィルハンドルとはセルの右下部分で、ポインタを合わせると十字に変わる部分です

このフィルハンドルをコピーしたい行まで下にドラッグします。
今回は10行目までコピーしてみました。

あとは先ほど同様、保有株の”銘柄コード””保有数量””平均取得単価”を入力すればポートフォリオの完成です。

グラフなどで見やすいようにアレンジ
これでポートフォリオとして確認したい内容は確認できるようになりましたが、もう少し見やすいようにアレンジしてみたいと思います。
例えば、罫線を引いたり色をつけてあげたりするだけでも見やすさは格段にアップします。
自身の好みに合わせて調整してみてください。

また、自身の総資産に占める各保有株の割合をグラフで表したりもできます。
グラフの挿入については、次のような手順で行います。
グラフ挿入の流れ
- ”銘柄名称”と”時価評価額”を選択
- リボンからグラフの種類を選択
まず、”銘柄名称”と”時価評価額”の部分を選択します。

次に、シート上部のリボンからグラフの種類を選択します。
*今回は円グラフを使用を選択しました

これだけでグラフが完成です。

これだけでも視覚的には認識できますが、「グラフデザイン」からはパーセンテージ入りのグラフなども選ぶことができます。
グラフの表題を変えたりといったこともできますので、自身の好みにアレンジしてみてください。

以上がエクセルを使用した基本的なポートフォリオの管理・設定方法になります。
今回の設定はあくまでも例とし、これをベースに自分好みのアレンジをどんどん加えてみましょう。
なお、冒頭でお伝えした通り、今回は楽天証券のマーケットスピードⅡ RSSの使用を前提として解説しました。
まだ口座をお持ちでない方は口座開設の必要がありますので、まずは楽天証券で口座開設の上、マーケットスピードⅡ RSSを活用してみてください。
\まずは口座開設してマーケットスピードⅡ RSSを活用しよう/
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