「この銘柄の株価がこの水準まで下がってきたら購入を検討したい」と考えた場合、みなさんはどうしますか?
証券会社が提供する取引ツールには”株価が指定の水準になったら知らせる”というアラート機能がついていることがありますので、こちらを活用している方も多いのではないかと思います。
エクセルで銘柄管理をする場合は、色をつけることでアラート機能と同じように知らせることができます。
さらに、エクセルなら株価に限らずPERや配当利回りといった指標に対しても同様の機能を持たせることができますので、非常に便利です。
今回は、株価やPERなどの株価指標が指定した水準になったらセルに自動で色をつけて知らせる方法についてご紹介していきます。
基本的な設定方法

では早速、基本的な設定方法を確認していきましょう。
『条件付き書式』からルールを決める
手順としては、こちらになります。
設定手順
- リボンから『条件付き書式』をクリックし、『新しいルール』を選択
- ダイアログボックスから『指定の値を含むセルだけを書式設定』を選択
- ルールの内容を決めて設定
- 全ての設定が終わったら『OK』をクリック
特に難しい設定はありませんのでご安心ください。
ここからは、画像付きで手順を解説していきます。
例として、A列に入力した数値のうち「100以上の値が入力されたセルを自動で黄色に塗りつぶす」という設定をしてみましょう。
*エクセルのバージョンが古いですが、手順は変わらないのでご容赦ください
まず対象のセルを選択し、エクセル上部のリボンから『条件付き書式』をクリックします。

次に、表示されたリストの中から『新しいルール』を選択します。

表示されたダイアログボックスから、『指定の値を含むセルだけを書式設定』を選択します。

一番左は『セルの値』にしたまま、『次の値の間』の横にあるプルダウンから希望のルールにあった条件を選択します。
今回は100以上の値に色を付けるので、『次の値以上』を選択します。

そして、右側の枠に『100』と入力します。

最後に『書式』を選択します。

『セルの書式設定』のダイアログボックスから、希望の書式を選びます。
今回はセルに色をつけるため、『塗りつぶし』タブから黄色を選択しましょう。
なお、『パターン』では単なる塗りつぶしではなく、斜線や網掛けなども選択可能ですので、お好みに応じて活用してみてください。
選択が終わったら『OK』をクリックします。

以上で設定は完了です。
無事に100以上のセルが黄色に塗りつぶされましたね。

1つのセルに複数の設定も可能
では次に、同じ範囲のセルを選択して99以下のセルにオレンジの色をつけてみましょう。
手順としては先ほどと同じで、変わってくるのはルールに合った条件を選択するところだけです。

無事に99以下のセルがオレンジになりました。

このように、1つのセルには複数のルールを適用することができます。
試しにルール設定をしたセル内の数値を変更してみると、このように反映されました。

実際の活用方法

では、どういう場面で役に立つのか、例を挙げてみましょう。
株価が指定した水準になったら知らせる
まず、株価に対して設定するパターンです。
「購入を検討している銘柄がこの水準まで下がったら買いたい」といったときや、「保有株がこの水準まで上がってきたら売却を検討したい」といった場合に色で知らせてくれるとわかりやすいですよね。
例えば、購入を検討している銘柄を下のようにまとめていて、「トヨタ自動車」の株価が1900円を割ってきたら買いたいなと考えていたとします。

設定としては先ほどの手順と同じです。
1,900円を割ったら色がつくようにします。

これで設定は完了です。
株価が1,900円を割るまでに下がってきたら、色がつくようになりました。

購入検討銘柄リストに入れる際は「この銘柄がこの水準まで下がったら買いたい」というように購入したい株価水準を予め想定していると思いますので、リストに入れる際に色つけ設定も行っておくといいですね。
株価指標が指定した水準になったら知らせる
次に、株価指標に対しても同様の設定をしてみましょう。
先ほどのリストを活用し、「PER:10倍以下」「配当利回り:4%」になったら色をつけて知らせるようにしてみます。

まず、PERの方の設定はこのようになります。

次に、配当利回りです。
こちらは赤枠部分をパーセンテージ表記にしましょう。

これで設定は完了です。
下のように色づけされました。

やはり色づけされるとわかりやすいですね。
現在は設定水準を満たしていない銘柄も、今後設定水準を満たしてくれば色をつけて知らせてくれるようになります。
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ここまで色づけの設定方法について紹介してきましたが、例で使用したようなリアルタイムでの株価更新や株価指標の抽出は楽天証券のマーケットスピードⅡ RSSの活用が非常に便利です。
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まとめ
証券会社が提供する取引ツールでは管理できる銘柄数が決まっていますが、エクセルなら上場している企業すべてを管理することも可能です。
しかし、銘柄が増えれば増えるほどひとつひとつの銘柄に対する管理が行き届かなくなってしまいますので、今回のように指定の水準になったら色で知らせてくれるという設定は非常に有効ですね。
設定項目と株価・株価指数の組み合わせ方次第ではいろいろな活用ができると思いますので、自身でカスタマイズしてみてください。
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