ポンコツな私が投資に関する知識をつける為、「学ぶシリーズ」と題して様々な指標を掘り下げて学んでいきます。
今回は「自己資本比率」についてです。
目次
自己資本比率とは

意味
自己資本比率は総資本に対する自己資本の割合を示したものになり、企業の資金力や財務の安定性を計る為の指標となります。
この自己資本比率が高いほど、他人資本(借入などの返済義務がある資本)に対しての自己資本(利益剰余金などの返済義務がない資本)の割合が高くなり、負債が少なく経営が安定している企業であると判断することができます。
算出方法
自己資本比率の算出方法は、下記になります。

自己資本比率を求める際は、貸借対照表より必要な数値を拾います。
例えば、総資産100億円、自己資本60億円のA社の場合、自己資本比率は下記になります。

60億円 ÷ 100億円 × 100 = 60%
ただ、自己資本比率は企業から決算時や四半期毎に発表される決算短信に記載されていますし、会社四季報や証券各社が提供するツール、投資情報サイトで簡単に算出済の数値を確認することもできます。
決算短信であれば、1枚目中段の右側に記載されています。

数値の見方

数値の基準
自己資本率の安全とされる水準は業種によって異なりますが、大まかなイメージとしてはこのようになります。

自己資本率が10%を切っているような企業は、多額の負債を抱えている為、倒産のリスクが高くなります。
ただ、他人資本への依存度が高い銀行業のように10%以下だからといって全ての企業が倒産リスクを抱えているとは限りません。
適正な水準かどうかは、同業他社と比較の上で判断した方が良いでしょう。
10%以下は倒産リスクが高い(例外業種あり)
ROEとの関係
自己資本は、ROEを算出する際も必要になります。
”ROEとROAの違いについて学ぶ”の記事でも触れましたが、ROEの算出方法では負債が反映されません。
その為、自己資本比率と組み合わせることでより企業の財務状況の把握に役立ちます。
例を挙げましょう。
総資産100億円、当期純利益5億円のA社とB社があったとします。
自己資本はA社が60億円、B社が20億円でした。

この場合のROEと自己資本比率はこのようになります。

ROEでみるとB社は非常に優秀な水準ですが、自己資本比率は安全とはいえない水準となっています。
このように、ROEが高いからといってそこだけで判断した場合、もしかしたら倒産してしまう危険性がある企業かもしれないのです。
それぞれの数値を理解し、企業の実態を総合的に判断することが重要となります。
まとめ
自己資本比率をみることで、企業の財務状況の健全性や倒産リスクの判断が可能になります。
ただ、自己資本比率だけで投資するかの判断を下すのはおすすめできません。
ROEも確認しながら財務が健全で収益性の高い企業を探すなど、他の指標もうまく組み合わせながら魅力的な銘柄を探していきましょう。
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