株式投資を行う上で、株価のトレンドを把握することは非常に重要です。
どんなに好調な業績でも、トレンドが下降トレンドに入っているという理由で株価が下がり続けるといったことはよくあります。
そこで、株価のトレンドを判断するための指標として移動平均線やトレンドラインについて学んできたわけですが、移動平均線とトレンドラインの違い、わかりますか?
今回は移動平均線とトレンドラインを有効に活用する方法を学んでいきたいと思います。
移動平均線とトレンドラインのおさらい

移動平均線とは
まず、移動平均線のおさらいです。
移動平均線は、一定の期間(5日や25日など)の終わりの平均値を結んだグラフのことを言います。
これは、見方を変えるとその銘柄を購入した人の買値の平均値(売却した人の売値の平均値)と表現することもできます。
移動平均線についてはコチラに詳しくまとめています。
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テクニカル入門!確実に抑えておきたい移動平均線
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トレンドラインとは
次に、トレンドラインについてです。
トレンドラインとは、安値と安値、もしくは高値と高値を線で結んだものになります。
この線が上向きか下向きか、角度はどうかなどによって、現在のトレンドが上昇トレンドか下降トレンドかであったり、トレンドの強さや弱さを判断します。
また、2本の線を使って今後の株価の動きを予測したりといった使い方もできます。
トレンドラインについては、コチラに詳しくまとめています。
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トレンド把握はテクニカルの基本!トレンドラインを引いてみる
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移動平均線とトレンドラインの違い

同じように株価のトレンドを判断するための指標である移動平均線とトレンドラインですが、どういった違いがあるのでしょうか。
わかりやすいところでは、曲線の移動平均線と直線のトレンドラインといった見た目の違いが挙げられます。
これは、移動平均線が「一定の期間の終値の平均値」であることに対して、トレンドラインが「安値と安値、高値と高値という2点を線で結んだもの」であるということで説明がつきます。
また、直線を上に抜けるか、下に抜けるかで判断するトレンドラインに対し、移動平均線は値が日々変化することで、トレンドラインでは読み取れない日々の細かなトレンドの変化を確認することができるというのも特徴です。
それぞれの特長を活かした活用方法

移動平均線でトレンドラインではわからないサポートラインを読み取る
期間が短いなかで価格が変動すると、トレンドラインを引いた時にたくさんの線が引かれることになり、株価の方向性がわかりづらくなってしまいます。

しかし、移動平均線では株価の変動もならされてしまうため、比較的小さな変動に落ち着き、方向性を見極めやすくなります。
トレンドラインで現在のトレンドが判断しづらい場合は、移動平均線も合わせて確認するようにしましょう。
売買判断の確実性を高める
売買判断の確実性を高めたい場合にも、トレンドラインと移動平均線が活用できます。
例えば、上昇を続けていた銘柄の株価がトレンドラインを下抜けしたとします。
セオリーでいえばその時点で売却するべきですが、これだけだとただの押し目かもしれないという考えもよぎると思います。
そこで、トレンドラインを割ったことに加えて移動平均線も下抜けした(向きが下向きに変わった)ときに売却を行う(もしくは空売りを行う)など、2つのサインにより強い下落のモメンタムを確認した上で判断することで、取引の確実性を上げることに役立ちます。
まとめ
トレンドライン、移動平均線ともに、トレンドを把握する上で非常に重要な指標です。
それぞれの良さをうまく組み合わせることでトレンド分析の精度がより高まりますので、トレンドラインを引くことと移動平均線の確認を怠らないようにしましょう。