ポンコツな私が投資に関する知識をつける為、「学ぶシリーズ」と題して様々な指標を掘り下げて学んでいきます。
今回は「配当性向」についてです。
配当性向とは

意味
配当性向は、当期純利益に対する年間の配当金額の割合を示す指標になります。
配当に関連する指標としては「配当利回り」がありますが、配当性向は年間の事業で得た利益の中からどれぐらいの配当金を株主に還元しているのかを表すものになりますので、配当性向が高いほど株主に対して利益還元をしようという姿勢が強いと言えます。
算出方法
配当性向の算出方法は、下記になります。

例えば、1株当たりの当期純利益が70円、1株当たりの配当金額(予想)が25円の企業があった場合、配当性向は3.57%になります。
25円 ÷ 70円 × 100 = 35.7(%)
数値の見方

数値の基準
では、配当性向はどれくらいを基準として考えると良いのでしょうか。
業種によって差があるものの、JPX(日本取引所グループ)が出している調査レポートによると、2018年度の東証市場全体でみた時の全産業の配当性向の平均は32.49%となっており、2017年度の28.84%に比べると上昇傾向にあります。
近年は株主還元を重視する外国人投資家の増加もあり、配当性向を経営目標とする企業も増えてきています。
ちなみに、アメリカでは配当性向の平均が40%前後となっており、世界的にみても日本の配当性向は低めの水準となっています。
配当性向を高めるメリット
投資家が配当性向をの高い企業を好感するのは理解できますが、企業にとって配当性向を高めることのメリットを挙げてみます。
- 配当を目的とした買いが入りやすくなる為、株価の上昇が期待できる
- 配当を目的としている投資家は長期的な保有が期待できるため、株価が安定する
配当性向が高いと投資家から株主還元に積極的な企業であるとして好感される為、結果として企業側にも安定した資金の流入が見込めるというわけです。
配当性向は高ければ良いわけではない

株主にとっては配当をたくさんもらえた方が有難いわけですが、配当性向は高ければ良いというわけではありません。
上場したばかりの成長企業などは売上も利益も2ケタ成長で伸びている場合が多いですが、配当を出していない場合(無配)も多いです。
これは、成長ステージにあるうちは稼いだ利益を、株主還元ではなく継続した成長の為の投資に回したいという企業側の考えによるところが大きいです。
こういったケースは決してネガティブに捉えるのではなく、事業拡大に向けた戦略的なものだと理解して中長期的な視点で株式の購入を検討することが重要になります。
逆に、儲けた利益よりも配当を多く出している場合もあります。
この場合は配当性向が100%を超えてくるわけですが、高すぎる場合は企業の体力に対して無理をしている可能性がありますので、財務状況はしっかりと確認して投資判断をした方が良いでしょう。
まとめ
配当性向は、一定の基準によって善し悪しを判断するものではありません。
その企業が成長企業なのか、成熟企業なのかで同じ配当性向でも見方が変わってくる為、経営状態をよく確認して投資判断に活かす必要があります。
近年は不労所得として配当金に注目が集まっていますので、企業分析の際は配当性向や配当利回りの部分も意識して確認するようにしましょう。
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