ポンコツな私が投資に関する知識をつける為、「学ぶシリーズ」と題して様々な指標を掘り下げて学んでいきます。
今回は「配当利回り」についてです。
配当利回りとは

意味
配当利回りとは、現在の株価で株を購入した場合、年間の配当金が株価に対してどれぐらいの割合を占めるかを表す指標になります。
株式投資にはキャピタルゲイン(株式を売買することで利益を得る)を重視するかインカムゲイン(株式を保有することで利益を得る)を重視するかで投資手法が変わってきます。
配当利回りは、主にインカムゲインを重視する投資家が注目する指標になります。
算出方法
配当利回りの算出方法は、下記になります。

例えば、株価が500円、1株当たりの配当金(予想値)が20円の企業の場合、配当利回りは4%になります。
20 ÷ 500 × 100 = 4(%)
もし配当利回りが4%で購入したとすると、購入後に株価がどれだけ下がろうとも、その企業を25年間保有し続ければ配当金によって投資元本が回収されることになります。(税金や手数料、減配等を考慮しない場合)
数値の見方

数値の基準
東証一部上場企業の平均配当利回りは、概ね2%台です。
また、一般に4%を超えると高配当銘柄として分類されることが多いです。
銀行の定期預金の金利が1%にも満たない現状を考えると、4%の利回りは非常に魅力的です。
しかし、ここで注意が必要なのは購入するタイミングによって配当利回りが変わってくる点です。
先ほどの例でいうと、同じ20円の1株当たりの配当金(予想値)でも、株価が上昇した800円のタイミングで株式を購入して場合は、配当利回りが2.5%と低くなってしまいます。
もらえる配当金が同じ場合、どうせ長期間保有するならいつ買っても一緒と思われるかもしれませんが、買うタイミングによっては同じ元本で単元数を増やせる可能性もありますので、購入の際は配当金の”金額”だけではなく”利回り”を考慮して判断した方が賢明でしょう。
高配当株のメリット
最近は配当金目当ての高配当株投資が盛り上がっていますが、配当利回りが高いことは単に配当金をたくさんもらえるというだけでなく、株価の下支えという効果も発揮します。
配当金狙いで株を購入している投資家は、市場全体の地合いが悪化しても配当金に影響がなければ保有を継続する傾向が強いです。
その為、パニック売りなどに巻き込まれにくい上、逆に株価が安いという理由で買い増しを行うことで株価の大幅な下落を防いでくれる場合があるのです。
米国株投資
配当を重視して投資を行う場合の選択肢として、米国株投資が挙げられます。
米国では日本以上に配当金を重視する傾向が強く、長期に渡って増配を続ける企業が日本に比べて非常に多いこともあって、配当を重視する投資家が米国株投資を始める傾向が強くなっています。
もし米国株投資に興味があれば、米国株の取り扱い銘柄数が一番多く、NISAで買付時の手数料が実質無料など、米国株取引に力を入れているマネックス証券での取引がおすすめです。
配当利回りの注意点

配当を安定して出している
先ほど、高配当株は株価の下支えになるという点をお伝えしましたが、逆に高配当の企業が減配(配当金の額を下げる)を行うと、配当利回りが高いという旨味がなくなったことで株価が一気に下げ始める場合があります。
配当利回りに注目して投資を行う場合は、その企業が減配の実績がなく、安定して配当を出し続けているかを確認した上で判断した方が良いです。
景気に左右されて毎年配当金の額が上下するような場合は、少なくとも配当利回りだけでの投資判断は避け、その他の株価指標も含めて総合的に判断しましょう。
割高・割安の判断に使用しない
配当は利益の中から株主に支払われるものですが、企業によっては将来への投資や有事に備えた内部留保として配当を出さない場合もあります。
そういった場合は配当利回りが低かったり、”0”だったりするわけですが、そういった銘柄が割高かというとそうではありません。
配当を出すかどうかは企業の方針によるものですので、株価の割高・割安の判断についてはPERやPBRなどで確認するようにしましょう。
業績を確認する
配当利回りが良いからといって、業績が良いとは限りません。
計算式を確認するとわかるように、配当利回りが高くなる要因の一つとして株価が下がった場合が挙げられます。
もし現状の配当利回りの高さが、業績の悪さを反映して株価が下がっていることに起因している場合、減配のリスクが高くなります。
高配当利回りの銘柄を見つけた場合は、必ず業績も合わせて確認することが必要になります。
まとめ
配当金はセミリタイアを目指す兼業投資家やフリーランスとして働く方の不労所得として、重視する投資家が増えてきています。
また、配当利回りを確認しながら銘柄選択をすることは株価の下値不安を和らげるという点から、初心者にも取り組みやすい投資手法であると思います。
超低金利時代の今、口座管理手数料を取られ始めかねない銀行に預金を預けるより、業績の安定した高配当株への投資を検討してみてはいかがでしょうか。
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