PER(株価収益率)は15~20%あたりが割安の目安と言われますが、もう少し細かくみると業種によって平均値が異なります。
また、割安かどうかの比較の際は同業種での他社比較を行うことが重要です。
割安株を探す際に参考にすることが多いPERについて、過去(2013~2019年)の実績より業種別のPER推移をまとめました。
市場によっても業種別の平均値は変わってきますが、JPX(日本取引所グループ)がまとめている統計資料を参考に業種別の東証一部銘柄の平均PER推移をグラフにしていますので、総合平均などとの関係性を含めて参考にして頂ければと思います。
今回は、「保険業」「その他金融業」「不動産業」「サービス業」の4業種です。
目次
保険業
PER推移
「保険業」のPER推移はこちらになります。


*「-」は該当数値なし、またはPERがマイナス値の場合。
2016年6月からしばらくは総合平均との乖離がありましたが、2018年の後半からは総合平均に近い数値となっています。
時価総額ランキング
【8766】東京海上ホールディングス(東証一部)
【8725】MS&ADインシュアランスグループホールディングス(東証一部)
【8750】第一生命ホールディングス(東証一部)
*4/2時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「保険業」の1位は、東京海上ホールディングスになります。
東京海上ホールディングスは東京海上日動が主体となり、損保で首位級です。
2位のMS&ADインシュアランスグループホールディングスも損保で首位級で、傘下に三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保があります。
なお、「保険業」の1兆円企業は上位3社にSOMPOホールディングスを加えた4社になります。(2020年4月2日現在)
その他金融業
PER推移
「その他金融業」のPER推移はこちらになります。


「その他金融業」は、ここ数年総合平均より数値が低い状態が続いています。
時価総額ランキング
【8591】オリックス(東証一部)
【8697】日本取引所グループ(東証一部)
【8572】アコム(東証一部)
*4/2時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「その他金融業」の1位は、オリックスになります。
オリックスは総合リースの最大手となり、生保や不動産など、多角的に事業を行っている企業です。
「その他金融業」の1兆円企業はオリックスのみですが、コロナで暴落している現在の株価でなければ、2位の日本取引所グループも1兆円を超えてくる可能性があります。(2020年4月2日現在)
不動産業
PER推移
「不動産業」のPER推移はこちらになります。


「不動産業」のPERは右肩下がりの推移となっていましたが、2019年に入ってから総合平均に連動して数値が上がってきています。
時価総額ランキング
【8802】三菱地所(東証一部)
【8801】三井不動産(東証一部)
【8830】住友不動産(東証一部)
*4/2時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
不動産業の1位は、三菱地所になります。
三菱地所は三菱グループの総合不動産で、賃貸は東京・丸の内が基盤です。
また、2位の三井不動産は三菱地所と並ぶ総合不動産の双璧で、ビル賃貸が主力の企業になっています。
なお、不動産業はランキング上位3社が1兆円企業となります。(2020年4月2日現在)
サービス業
PER推移
「サービス業」のPER推移はこちらになります。


「サービス業」のPERは、総合平均より高い状態が続いています。
また、「サービス業」は新興市場にも多くの銘柄が上場していますので、マザーズのPER推移も紹介します。


総合平均の数値が非常に高いマザーズですが、マザーズの中での「サービス業」は比較的数値が低めです。
時価総額ランキング
【4661】オリエンタルランド(東証一部)
【6098】リクルートホールディングス(東証一部)
【6178】日本郵政(東証一部)
*4/2時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「サービス業」の1位は、オリエンタルランドになります。
オリエンタルランドは、入園者数世界有数の東京ディズニーランド・ディズニーシーを運営しており、サービスに定評のある企業です。
また、2位のリクルートホールディングスは販促・求人情報サービスの大手になります。
ちなみに、「サービス業」でマザーズに上場している企業の中では、ミクシィが時価総額1位です。
なお、「サービス業」の1兆円企業は6社になります。(2020年4月2日現在)
今回は以上になります。
企業の割安判断の際は常に最新のPERを算出し、同業種との比較を忘れないようにしましょう!
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