PER(株価収益率)は15~20%あたりが割安の目安と言われますが、もう少し細かくみると業種によって平均値が異なります。
また、割安かどうかの比較の際は同業種での他社比較を行うことが重要です。
割安株を探す際に参考にすることが多いPERについて、過去(2013~2019年)の実績より業種別のPER推移をまとめました。
市場によっても業種別の平均値は変わってきますが、JPX(日本取引所グループ)がまとめている統計資料を参考に業種別の東証一部銘柄の平均PER推移をグラフにしていますので、総合平均などとの関係性を含めて参考にして頂ければと思います。
今回は、「陸運業」「海運業」「空運業」「倉庫・運輸関連業」の4業種です。
目次
陸運業
PER推移
「陸運業」のPER推移はこちらになります。


「陸運業」は時期によって総合平均との関係性が変わる様です。PERを分析する際は、他社比較を都度行う様にしましょう。
時価総額ランキング
【9022】東海旅客鉄道(東証一部)
【9020】東日本旅客鉄道(東証一部)
【9021】西日本旅客鉄道(東証一部)
*4/2時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「陸運業」の1位は、東海旅客鉄道になります。
東海旅客鉄道(JR東海)は、新幹線が収益の約7割を占め、流通・不動産事業も展開しています。
ちなみに、鉄道の最大手は東日本旅客鉄道(JR東日本)になります。
なお、「陸運業」の1兆円企業はランキング上位の3社のみです。(2020年4月2日時点)
海運業
PER推移
「海運業」のPER推移はこちらになります。


*「-」は該当数値なし、またはPERがマイナス値の場合
「海運業」は銘柄数が少なく、算出できていない月が多いです。銘柄選びの際はPER以外の指標も参考にしましょう。
時価総額ランキング
【9101】日本郵船(東証一部)
【9104】商船三井(東証一部)
【9107】川崎汽船(東証一部)
*4/2時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「海運業」の1位は、日本郵船になります。
日本郵船は海運売上高で国内首位となっており、陸・空運も強化しています。
「海運業」は上場銘柄が13銘柄と少ない業種で、1兆円企業はありません。(2020年4月2日時点)
空運業
PER推移
「空運業」のPER推移はこちらになります。


「空運業」は総合平均に対してPERが低い傾向にあります。数値だけを見て飛びつかず、他社比較を行う必要がありそうです。
時価総額ランキング
【9202】ANAホールディングス(東証一部)
【9201】日本航空(東証一部)
【9232】パスコ(東証一部)
*4/2時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「空運業」の1位は、ANAホールディングスになります。
ANAホールディングスは国内線・国際線ともに首位で、3位のパスコはセコム傘下の航空測量最大手の企業です。
なお、「空運業」の上場企業も5社と少なく、1兆円企業はありません。(2020年4月2日現在)
倉庫・運輸関連業
PER推移
「倉庫・運輸関連業」のPER推移はこちらになります。


「倉庫・運輸関連業」は2017年6月からの1年間を除き、総合平均と同じような推移が見られます。2018年6月以降は、総合平均に対して割安な状態が続いています。
時価総額ランキング
【9364】上組(東証一部)
【9301】三菱倉庫(東証一部)
【9375】近鉄エクスプレス(東証一部)
*4/2時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「倉庫・運輸関連業」の1位は、上組になります。
上組は港湾総合運送で首位級で、高品質物流に特化することで他社との差別化を図っています。
3位の近鉄エクスプレスは国際航空貨物混載大手の一角です。
なお、「倉庫・運輸関連業」には1兆円企業はありません。(2020年4月2日現在)
今回は以上になります。
企業の割安判断の際は常に最新のPERを算出し、同業種との比較を忘れないようにしましょう!
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