PER(株価収益率)は15~20%あたりが割安の目安と言われますが、もう少し細かくみると業種によって平均値が異なります。
また、割安かどうかの比較の際は同業種での他社比較を行うことが重要です。
割安株を探す際に参考にすることが多いPERについて、過去(2013~2019年)の実績より業種別のPER推移をまとめました。
市場によっても業種別の平均値は変わってきますが、JPX(日本取引所グループ)がまとめている統計資料を参考に業種別の東証一部銘柄の平均PER推移をグラフにしていますので、総合平均などとの関係性を含めて参考にして頂ければと思います。
今回は、「輸送用機器」「精密機器」「その他製品」「電気・ガス業」の4業種です。
目次
輸送用機器
PER推移
「輸送用機器」のPER推移はこちらになります。


2017~2018年にかけて一時的に総合平均を上回っている時期がありますが、2018年6月以降は総合平均より低い状態が続いています。
時価総額ランキング
【7203】トヨタ自動車(東証一部)
【7267】ホンダ(東証一部)
【6902】デンソー(東証一部)
*4/1時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「輸送用機器」の1位は、トヨタ自動車です。
トヨタ自動車は世界首位級の自動車メーカーで、国内でも4割超の高シェアを誇ります。
2位のホンダは二輪で世界首位、3位のデンソーは自動車部品で国内首位、世界2位となっております。
「輸送用機器」には、自動車メーカーを中心として1兆円企業が8社あります。(2020年4月1日現在)
精密機器
PER推移
「精密機器」のPER推移はこちらになります。


「精密機器」はしばらく平均PERが高い状態が続いていましたが、2018年6月より総合平均を下回る状態が多くなっています。
時価総額ランキング
【7741】HOYA(東証一部)
【4543】テルモ(東証一部)
【7733】オリンパス(東証一部)
*4/1時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「精密機器」の1位は、HOYAになります。
HOYAは眼鏡レンズと半導体用マスク基板が主力の企業です。
また、2位のテルモは医療機器の大手となり、カテーテルなどの心臓血管分野強みを持っています。
「精密機器」の1兆円企業は、上記の3社のみになります。(2020年4月1日現在)
その他製品
PER推移
「その他製品」のPER推移はこちらになります。


「その他製品」は、2014年6月から総合平均よりPERが高い状態が続いています。
時価総額ランキング
【7974】任天堂(東証一部)
【7832】バンダイナムコホールディングス(東証一部)
【7951】ヤマハ(東証一部)
*4/1時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「その他製品」の1位は、任天堂になります。
任天堂は、ゲーム機ハード・ソフトで総合首位の企業です。
2位のバンダイナムコホールディングスは総合エンタメ企業で、玩具で首位級となっています。
「その他製品」の1兆円企業は、任天堂とバンダイナムコホールディングスの2社になります。(2020年4月1日現在)
電気・ガス業
PER推移
「電気・ガス業」のPER推移はこちらになります。


*「-」は該当数値なし、またはPERがマイナス値の場合
「電気・ガス業」では、2016年6月から総合平均を下回る状態が続いています。
時価総額ランキング
【9502】中部電力(東証一部)
【9531】東京ガス(東証一部)
【9503】関西電力(東証一部)
*4/1時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「電気・ガス業」の1位は、中部電力になります。
中部電力は電力大手で、中部財界の雄です。現在は浜岡原発3基を停止中となっています。
ちなみに電力業界では、中部電力が業界3位、関西電力が業界2位、東京電力が業界1位です。
「電力・ガス業」では、上記の3社が1兆円企業になります。(2020年4月1日現在)
今回は以上になります。
企業の割安判断の際は常に最新のPERを算出し、同業種との比較を忘れないようにしましょう!
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