PER(株価収益率)は15~20%あたりが割安の目安と言われますが、もう少し細かくみると業種によって平均値が異なります。
また、割安かどうかの比較の際は同業種での他社比較を行うことが重要です。
割安株を探す際に参考にすることが多いPERについて、過去(2013~2019年)の実績より業種別のPER推移をまとめました。
市場によっても業種別の平均値は変わってきますが、JPX(日本取引所グループ)がまとめている統計資料を参考に業種別の東証一部銘柄の平均PER推移をグラフにしていますので、総合平均などとの関係性を含めて参考にして頂ければと思います。
今回は、「非鉄金属」「金属製品」「機械」「電気機器」の4業種です。
非鉄金属
PER推移
「非鉄金属」のPER推移はこちらになります。


2016年6月から1年間は異常値の様に平均PERが上昇していますが、2017年6月以降は総合平均を下回る状態で推移しています。
時価総額ランキング
【5802】住友電気工業(東証一部)
【5713】住友金属鉱山(東証一部)
【5711】三菱マテリアル(東証一部)
*3/31時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「非鉄金属」の1位は、住友電気工業になります。
住友電気工業は電線で国内首位、自動車用ワイヤーハーネスで世界的大手の一角となっています。
なお、「非鉄金属」に1兆円企業はありません。(2020年3月31日現在)
金属製品
PER推移
「金属製品」のPER推移はこちらになります。


「金属製品」は2016年6月以降、平均PERが総合平均を下回る状態が続いています。
時価総額ランキング
【5938】LIXILグループ(東証一部)
【3436】SUMCO(東証一部)
【5947】リンナイ(東証一部)
*3/31時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「金属製品」の1位は、LIXILグループになります。
LIXILグループは、トステムやINAXなど5社が統合した住宅設備の最大手です。
また、2位のSUMCOはシリコンウエハの大手で、半導体用は世界首位級になります。
なお、「金属製品」に1兆円企業はありません。(2020年3月31日現在)
機械
PER推移
「機械」のPER推移はこちらになります。


「機械」の平均PERは、比較的総合平均に沿った動きをしています。
時価総額ランキング
【6367】ダイキン工業(東証一部)
【6273】SMC(東証一部)
【6301】コマツ(東証一部)
*3/31時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「機械」の1位は、ダイキン工業になります。
ダイキン工業はエアコンで世界首位級の企業で、国内では業務用で圧倒的です。
また、2位のSMCはFA空圧制御機器で世界首位となっており、3位のコマツも建設機械で世界2位の企業になります。
「機械」には、この3社に【6326】クボタを加えた4社が1兆円企業となっています。(2020年3月31日現在)
電気機器
PER推移
「電気機器」のPER推移はこちらになります。


「電気機器」については2016年6月以降、総合平均よりPERが高い状態が続いています。
時価総額ランキング
【6861】キーエンス(東証一部)
【6758】ソニー(東証一部)
【6981】村田製作所(東証一部)
*3/31時点の日本経済新聞 時価総額上位ランキングより
「電気機器」の1位は、キーエンスになります。
キーエンスはFAセンサーなどの検出・計測制御機器の大手となります。
なお、1~3位はもちろん、4位以下にも日本を代表する大企業が名を連ねており、1兆円企業は17社あります。(2020年3月31日現在)
今回は以上になります。
企業の割安判断の際は常に最新のPERを算出し、同業種との比較を忘れないようにしましょう!
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