PER(株価収益率)は15~20%あたりが割安の目安と言われますが、もう少し細かくみると業種によって平均値が異なります。
また、割安かどうかの比較の際は同業種での他社比較を行うことが重要です。
割安株を探す際に参考にすることが多いPERについて、過去(2013~2019年)の実績より業種別のPER推移をまとめました。
市場によっても業種別の平均値は変わってきますが、JPX(日本取引所グループ)がまとめている統計資料を参考に業種別の東証一部銘柄の平均PER推移をグラフにしていますので、総合平均などとの関係性を含めて参考にして頂ければと思います。
今回は、「水産・農林業」「鉱業」「建設業」「食料品」の4業種です。
水産・農林業
PER推移
「水産・農林業」のPER推移はこちらになります。


2017年の後半からはPERが横ばいの状態が続いており、市場全体のPERに近い推移となっています。
時価総額ランキング
【1332】日本水産(東証1部)
【1377】サカタのタネ(東証1部)
【1333】マルハニチロ(東証1部)
*3/27時点の株価を基に算出した時価総額ランキング
「水産・農林業」の1位は、日本水産です。
日本水産は家庭用冷凍食品の大手で、ニッスイの愛称で親しまれている企業です。
なお、「水産・農林業」に属する企業は11社で、1兆円企業はありません。(2020年3月27日現在)
鉱業
PER推移
「鉱業」のPER推移はこちらになります。


*「-」は該当数値なし、またはPERがマイナス値の場合
2019年の6月以降からは、市場全体のPER平均に対して大きく下回る傾向にあります。
時価総額ランキング
【1605】国際石油開発帝石(東証1部)
【1662】石油資源開発(東証1部)
【1663】K & Oエナジーグループ(東証1部)
*3/27時点の株価を基に算出した時価総額ランキング
「鉱業」の1位は、国際石油開発帝石です。
国際石油開発帝石は、海外に強みを持つ資源開発の最大手です。
なお、「鉱業」に属する企業は6社で、1兆円企業はありません。(2020年3月27日現在)
建設業
PER推移
「建設業」のPER推移はこちらになります。


2016年後半からは10%前後で横ばいの推移となっており、特に直近5年は市場全体のPER平均に比べて大きく下回る傾向にあります。
時価総額ランキング
【1925】大和ハウス(東証1部)
【1928】積水ハウス(東証1部)
【1878】大東建託(東証1部)
*3/27時点の株価を基に算出した時価総額ランキング
「建設業」の1位は、大和ハウスです。
大和ハウスは住宅大手で、商業施設や都市開発なども手掛けている企業です。
建設業では、この大和ハウスと2位の積水ハウスが1兆円企業となっております。
食料品
PER推移
「食料品」のPER推移はこちらになります。


直近5年は、市場全体のPER平均に比べて高い傾向が続いています。
時価総額ランキング
【2914】日本たばこ産業(東証1部)
【2503】キリンHD(東証1部)
【2502】アサヒグループホールディングス(東証1部)
*3/27時点の株価を基に算出した時価総額ランキング
「食料品」の1位は、タバコでお馴染みの日本たばこ産業です。
日本たばこ産業はタバコの他にも医薬・食品なども取り扱っており、業種としては「食料品」に属しています。
2、3位はキリンHD、アサヒグループホールディングスとビール大手が並んでおり、4位以降はサントリー食品インターナショナル、明治ホールディングスと続いています。
なお、7位の味の素までが1兆円企業となっています。
今回は以上になります。
企業の割安判断の際は常に最新のPERを算出し、同業種との比較を忘れないようにしましょう!
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