ここ数年で新規上場を果たしたオーナー企業を紹介する「頑張れ!創業社長」のコーナーです。
このコーナーは、テンバガー銘柄の発掘を狙いとしております。

株式投資を行うなら一度はテンバガー銘柄を保有してみたいと思う方も多いと思いますが、過去の傾向より、テンバガー銘柄の共通点として下記の条件が挙げられます。
- 時価総額300億円以下
- 上場してから5年以内
- 株価が500円以下の低位株
- オーナー企業で、創業者が筆頭株主
他にも業種や成長性などの条件を挙げられることもありますが、概ねこのような条件の銘柄がテンバガー銘柄となる可能性が高いです。
このコーナーで新規上場のオーナー企業を紹介することで、憧れのテンバガー銘柄選びの参考にして頂ければと思います。
今回は、2019年10月に上場したこの企業を取り上げます。

創業社長

社長紹介
では、見事東証マザーズに上場を果たした創業社長をご紹介します!
小椋 一宏社長です!!
と、いつもならここにHPの社長画像リンクと人物紹介を載せるのですが、今回はHPの紹介分が非常に詳細かつ分かりやすかったため、そのまま引用しようと思います。
1975年生まれ。東京都出身。6歳でN80-BASICによるプログラミングを習得しゲームプログラミングを始め、高学年ではMSX等のBASICマシンでの開発経験を積む。ファミコン大ブーム期にも苦しい家計の事情からファミコンを買い与えられず、その悔しさから自分でゲームを作って遊ぶ生活を送る。中学生に入ってからはN88-BASICによるプログラミングに没頭し、特にミュージックプログラミングに力を入れるが、完全なマニアとして完成してしまったため女性にもてず、高校でのパソコン断ちと人生の再出発を決意。高校ではパソコンには一切ふれず、バンド活動をしながら3年間を送るが、お茶の水での浪人生活中に秋葉原電気街に立ち寄った際に3年間の間の科学技術進歩と欧米技術の市場席捲を目の当たりにし、再びコンピュータ技術に興味を抱く。
桐朋高校在学中にバブル崩壊を体験し、日本経済の再興に貢献したいという思いから一橋大学経済学部に進学するが、経済学は向いていなかったと見え、入学後すぐにコンピュータの世界に戻る。1994年、某研究所におけるプログラマとしてのアルバイト時代にLinuxと出会い、その素晴らしさを痛感。研究所内にLinuxを導入する。同年はじめてインターネットと出会い、新たなデジタル革命の波を予感。前代未聞の技術進歩の風が吹き荒れるIT業界において、学生を中心に構成した柔軟な組織を構成すれば、新しい技術への適応力において大企業を上回ることができるのではないかと考え起業を決意。
起業後は一貫して技術部門のトップとして会社を牽引。常に新しい技術に目を向け、2009年頃からは、クラウド時代の到来に先駆けてクラウド技術を社内に持ち込む。企業理念であるテクノロジーの解放に魂を込める技術者社長。
HPより
株主へのメッセージ
私たちは1996年の創業以来、時代に合わせて事業領域を変化させながら、新技術と現実の業務の間のギャップを埋めるソリューションを企業向けに提供する「テクノロジーの解放 (Liberation of technology)」を実現し続けております。
近年、わが国では企業におけるSaaSの導入が進んでおりますが、その背景にはSaaSの機能・性能面の利点に加え、場所や時間に縛られない機動的な働き方を実現可能にするという性質が、日本経済が直面している労働力不足や、低労働生産性の問題を解決しうるとの期待があります。
一方で、世界中どこからでもアクセス可能になるという側面から生まれるセキュリティ面でのリスクを受容できず、 SaaSを円滑に導入できないといった問題も見られます。
私たちは、企業に対し、IDaaSを中心とするクラウドセキュリティサービスである「HENNGE One」を提供することで上記の問題を解決し、企業におけるSaaSの導入の推進や、労働生産性の向上に貢献するとともに、持続的な収益成長を目指します。
私たちは、驚くべきスピードで変化・発展し続けるITが、今後も企業に価値をもたらし続けると信じています。当社グループは、 今の事業成長を加速させるだけでなく、次の「テクノロジーの解放 (Liberation of technology)」を探すべく自ら新技術に挑戦し続けることで、株主価値及び企業価値の最大化を図り、また社会の変化を促すことで、人類の発展に寄与できる企業となりたいと考えています。
株主・投資家の皆さまにおかれましては、今後とも当社グループへのより一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
HPより
では、HENNGE株式会社の会社概要をみていきましょう。
会社概要

VISION
テクノロジーの解放で世の中を変えていく。
「テクノロジーの解放」は、独自の技術や時代の先端をいく技術を広く顧客に届け、世の中を変えていくことを意味しています。
同社は、テクノロジーにおける理想と現実のギャップの橋渡し役として、顧客に新しい価値を提供し続け、世界の発展に貢献しようとしています。
事業内容
下記、HENNGE株式会社の事業内容になります。
セキュリティサービス会社。企業向けクラウド「HENNGE One」(企業が利用する複数のクラウドサービスに対して横断的にセキュアなアクセスとシングルサインオンによるID一括管理)の提供。「HENNGE One」は単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするID統合機能、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制限機能、メール暗号化や保管、大容量ファイルの送受信といった情報漏洩対策機能を持つ。導入実績は契約企業数1610社(上場企業の10%が利用)、契約ユーザ数190万(2020年6月)。その他、 プロフェッショナル・サービス(クラウドベースの高速・大容量メール配信サービス)を提供。2020年「HENNGE One for Education」販売。
マネックス銘柄スカウターより
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HENNGE株式会社は、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して横断的にセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現するIDaaSである「HENNGE One」を主力サービスとしており、クラウド型シングルサインオンサービスでは国内トップシェアを誇っています。

企業が複数のSaaSサービスを利用している場合、各従業員のIDを作ったり削除しなければいけなくなるため業務が煩雑になりますが、「HENNGE One」を使うことで様々なサービスを横断して使うことができるようになります。
顧客は一つのIDでユーザーを管理でき、従業員も単一のIDでアクセスできるためパスワードなどを覚える手間が減るというメリットがあります。
また、サービスごとにアクセスポリシーを設けたい場合にも有効で、誰がいつどの端末からどのサービスにアクセスするかコントロールすることができ、この二つの機能で企業がSaaSサービスを使うワークスタイルへの移行をサポートしています。
事業の強み
同社のビジネスモデルの強みとして、以下のような点が挙げられます。

テレワーク等の多様な働き方が進行する状況においては、引き合いも増えるタイプのサービスを提供しており、景気後退下やコロナ禍においても安定的な成長が見込めるタイプのビジネスモデルであると考えられます。
新型コロナウイルスの影響
中長期的に、多様な働き方やテレワークの活用による需要が今後一層加速することが見込まれる一方、短期的には人材採用・顧客獲得といった活動が影響を受けている状況になっています。
新規顧客獲得への影響については、新規顧客獲得のためのメインの方法だったオフラインイベントを抑制せざるを得ない状況で、イベントやセミナー等が一部中止・延期となっているため、リード生成、あるいは新規顧客獲得への一定程度の影響が発生している状況のようです。
ただし、同社の商談については数ヶ月から半年程度の比較的長いリードタイムで、顧客が年度単位で導入するような製品のため、当期中への影響は限定的だと考えているとのことです。
その他、今後、景気後退に伴い、顧客の社員数が減少することで利用ユーザが減少したり、あるいはサービスの解約が起こらないとも限らない点やグローバル人材の入社、グローバルインターンシップの受け入れなどの遅延といった影響が出ています。
成長戦略

今後の成長戦略として、「LTV最大化」を掲げています。
同社のユーザは平均利用年数が非常に長く、何十年という単位でサービスを利用します。
そのため、直近の営業利益の水準にこだわりすぎることなく、将来の売上獲得のための費用投下を積極的に行ない、このLTVを最大化させていきたいというところが成長戦略の肝となっています。
LTVを最大化するためにはARRも非常に重要です。
このARRについては、短期的には「N」を伸ばしていく一方で、中期的には「ARPU」の向上にも力を入れていくといったところが主な成長戦略となっています。
業績・指標

売上推移

売上高のグラフは順調に成長していますが、2020年9月期については大幅な営業利益の増加が予想されています。
こちら、新型コロナウイルス感染症の影響により費用の投下が抑制されている状況となっていることが理由です。
全国および海外で開催予定のイベントが中止になったことなどから、当初計画よりも広告宣伝費が減少する見込みとなっています。
また、海外渡航制限などの影響でグローバル人材の入社やグローバルインターンの受け入れなどが遅延し、人件費が当初計画よりも減少する見込みであることに加えて、旅費交通費、接待交際費に関しては外出自粛などによって当初計画よりも減少する見込みです。
来期以降の売上獲得のために積極的な費用投下を行なうという当初の方針に沿えない状況になったため、営業利益が大きく増加しているという見え方になっています。
指標

10/9時点の株価は9,160円です。
時価総額は1,463億円と、設定したテンバガー要件からは大きくなり過ぎていますね。
グロース銘柄ということもありますが、PERやPBRは非常に高い状況です。
チャート

10/9時点の週足チャートです。
きれいな右肩上がりのチャートとなっていましたが、ここ数週間で一気に急騰しています。
上場時の初値が2,001円でしたので、すでに4倍以上の上昇となっていますし、ここからのテンバガーは少し厳しいかもしれませんね。。。
まとめ
以上、HENNGE株式会社の銘柄紹介となります。
ここで紹介した内容は購入を推奨するものではありません。あくまでも、自己責任において投資判断をお願いします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。