2019年に新規上場を果たしたオーナー企業を紹介する「頑張れ!創業社長」のコーナーです。
このコーナーは、テンバガー銘柄の発掘を狙いとしております。

株式投資を行うなら一度はテンバガー銘柄を保有してみたいと思う方も多いと思いますが、過去の傾向より、テンバガー銘柄の共通点として下記の条件が挙げられます。
- 時価総額300億円以下
- 上場してから5年以内
- 株価が500円以下の低位株
- オーナー企業で、創業者が筆頭株主
他にも業種や成長性などの条件を挙げられることもありますが、概ねこのような条件の銘柄がテンバガー銘柄となる可能性が高いです。
このコーナーで新規上場のオーナー企業を紹介することで、憧れのテンバガー銘柄選びの参考にして頂ければと思います。
今回は、4月に上場したこの企業を取り上げます。

目次
創業社長

社長紹介
では、見事東証マザーズに上場(2020年4月27日に東証一部へ市場変更)を果たした創業社長をご紹介します!
明田 篤社長です!!
明田社長は1980年愛知県豊田市生まれ。
豊田北高校を卒業後、名城大学理工学部に入学されます。
大学時代はバンドを組んで音楽活動に熱中されたそうですが、中退後に昔から興味のあった技術者の道に進み、2004年に岐阜県大垣市で個人事業主として創業します。
その後2006年に株式会社A&A tecnologiaを設立し、名古屋への本社移転を経て2010年に現在の「トビラシステムズ株式会社」に社名変更を行っています。
株主へのメッセージ
トビラシステムズは、自治体や企業の業務を
テクノロジーで安全かつ効率的にするために、2006年に設立した企業です。
2010年には培った技術やノウハウを活かし、大きな社会問題になっている振り込め詐欺を
撲滅させようと、迷惑電話フィルタ「トビラフォン」の開発に着手しました。
私の祖父が迷惑電話に困っていたことも、開発の大きな後押しになっています。トビラシステムズは素晴らしい未来を想像します。
誰もが安心して暮らせる社会、便利で効率的な生活。そんな未来へつながるトビラを開くには、
失敗を恐れず、常識を疑い、変化し続けなくてはなりません。誰かがやらなければならないものの、誰も実現できていない社会的課題は多くあります。
私たちは課題解決を革新的なテクノロジーで実現するため、研究開発を進め、
さまざまな製品開発に日々取り組んでいます。また、一緒に働くメンバーとその大切な人が幸せに暮らせる基盤であることが、
革新的なテクノロジーを発明し普及させるためには重要だと考えています。
トビラシステムズは、福利厚生や教育など理想の働き方の実現のために積極的な投資をし、
その基盤づくりに努めています。トビラシステムズは、テクノロジーで素晴らしい世界を実現するために、
「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラ」であり続けます。トビラシステムズ株式会社 HP「代表あいさつ」より引用
社会に貢献したいという意思や、社員を大切に想っている気持ちが伝わるメッセージとなっています。
では、トビラシステムズ株式会社の会社概要をみていきましょう。
会社概要

企業理念
私たちの生活 私たちの世界をよりよい未来につなぐトビラになる
また、行動指針をHPより抜粋します。

事業内容
ここからは、トビラシステムズ株式会社の事業内容になります。
詐欺・迷惑防止セキュリティソフト会社。モバイル・固定電話・ビジネスフォン向けの迷惑情報フィルタ「トビラフォン」の開発による迷惑電話の自動着信拒否サービスを通信キャリア会社に提供。振り込め詐欺の電話・スマホに警告でNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクと連携。月間約2300万件のメールやSMS情報等を収集・分析、警察庁と連携して特殊詐欺対策の情報提供を受け3万件以上の迷惑メールデータベースを構築。主要取引先はソフトバンク、NTTドコモ、KDDI。
引用:マネックス銘柄スカウター
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トビラシステムズ株式会社は、詐欺電話や悪質な営業電話などをブロックする迷惑電話フィルタを活用したサービスを提供しています。
セグメントとしては「迷惑情報フィルタ事業」が売上・利益の約9割を占め、残りの約1割がホームページ制作運営支援システム『HP4U』の販売受託開発という構成になっています。
また、「迷惑情報フィルタ事業」は主に3つのサービスから成り立っています。

独自のデータ収集によって、迷惑電話番号・迷惑メール・有害サイトのURLなどをデータベース化し、このデータを利用したフィルタサービスは大手キャリアやメーカーにも採用されています。
利用者が増えれば増えるほどデータが蓄積され、精度が向上する仕組みです。

また、トビラシステムズの強みとして迷惑情報フィルタ事業への高い参入障壁が挙げられ、9億件以上のデータを基に分析する同社には事実上競合となる企業やサービスがないに等しい状況です。
さらに、独自のアルゴリズムは13件の特許を取得しており、簡単には参入できない環境となっています。
では、ここからは主力事業である迷惑情報フィルタ事業を構成する3つのサービスについて、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
モバイル向けフィルタサービス
モバイル向けフィルタサービスは、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクといった大手3社を含めた通信キャリアがオプションパック契約に採用し、アプリ形式で迷惑電話フィルタを提供しています。

オプションパックは携帯電話契約時に、複数のアプリを組み合わせて携帯キャリアが店頭で説明を行い、販売します。
ここで注目したいのは、新規利用者の獲得にかかるプロモーションや利用料金の回収といった一連の営業行為は携帯キャリアが実施しているという点です。
その為、自社で顧客獲得の為に費やす費用を抑えられ、製品開発や品質向上にリソースを集中させることができますので、非常に高い収益率を実現できるのです。

また、携帯キャリアとの主な契約形態は3パターンあり、「月間利用者数×単価」の契約モデルを今後の成長の柱として位置付けています。

最後に市場規模ですが、トビラシステムズのアプリを追加費用なく利用できる潜在ユーザー層は3,800万以上となっており、成長余地は非常に大きいです。
直近3年は、FY2019を基準に各年30%以上の売上高成長が期待できるとしています。
固定電話向けフィルターサービス
固定電話向けのフィルタサービスは主に回線契約のオプションパックとして、ホームゲートウェイ内蔵型サービスとして展開されています。
利用者は、固定電話(IP電話)契約の基本オプションパックを契約することで、迷惑情報フィルタが利用可能になります。
現在は、KDDI系列2社のホームゲートウェイにて提供されています。

こちらは採用されている通信事業者が2社のみとなっており、アライアンス先の開拓により更なる成長が見込めます。
潜在市場規模は大きいと考えられており、直近3年はFY2019を基準に各年25%以上の売上高成長を目指しています。
ビジネスフォン向けフィルタサービス
迷惑電話フィルタ「トビラフォンBiz」を提供しています。
このサービスは企業が自社で着信拒否リストを作成する手間がなく、自動的に迷惑電話をブロックすることができます。
また、通話録音機能を有しており、企業のコンプライアンス強化や受発注ミスの低減にも効果を発揮します。
採用企業が増えるほど月額ライセンス費用が積み上がるストック型のビジネスモデルになります。
また、新規事業のトビラフォンCloudは積極投資によりストック売上高を増やし、毎年200%の売上高成長を目指しています。

業績・指標

売上推移

売上・利益共に右肩上がりの成長を続けています。
既存の収益基盤であるモバイル向けフィルタサービスの月間利用者数は着実に増加しており、売上に大きく貢献しています。
また、2020年3月からは新事業である法人向けの「トビラフォン Cloud」も発売された為、更なる成長も見込める状況です。
指標

4/28時点の株価は1,612円です。
時価総額はテンバガー要件を満たしています。
特徴的なのはROEとROAの高さで、それぞれ39.02%、27.88%と非常に優秀な数値となっています。
PERが53.7%となっていますが、成長過程にある中でのこの数値についてはあまり神経質になる必要はないかもしれません。
ただ、テンバガーを狙う上では少し株価水準が高い為、もう少し低ければなとは思ってしまいます。
チャート

4/28時点の週足チャートです。
上場後に急騰し、3,500円を抜いたところから下降トレンドに入っています。
11月~12月にかけて底入れ・反転したかに見えましたが、再度下落してきたところにコロナショックが直撃してもう一段の下落となりました。
3月後半からは日経平均の反発に合わせて株価が上がってきていますが、中期線を上抜けできるかが焦点となっています。
まとめ
大手携帯キャリア全てに採用されている上、競合がほぼいないということで、今後も順調な成長が見込まれます。
また、これからの超高齢化社会において、高齢者の詐欺被害を防ぐことに繋がるという事業は社会貢献度が高いですし、離れて暮らす子どもからのニーズも見込めるのではないかと思います。
収益性が非常に高いですし、3月からの法人向けサービスの提供開始により「テレワーク」というテーマにも関連が出てきている為、非常に楽しみな銘柄です。
買付余力があれば、ぜひ買いたい・・・。
以上、トビラシステムズ株式会社の銘柄紹介となります。
ここで紹介した内容は購入を推奨するものではありません。あくまでも、自己責任において投資判断をお願いします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。