2019年に新規上場を果たしたオーナー企業を紹介する「頑張れ!創業社長」のコーナーです。
このコーナーは、テンバガー銘柄の発掘を狙いとしております。

株式投資を行うなら一度はテンバガー銘柄を保有してみたいと思う方も多いと思いますが、過去の傾向より、テンバガー銘柄の共通点として下記の条件が挙げられます。
- 時価総額300億円以下
- 上場してから5年以内
- 株価が500円以下の低位株
- オーナー企業で、創業者が筆頭株主
他にも業種や成長性などの条件を挙げられることもありますが、概ねこのような条件の銘柄がテンバガー銘柄となる可能性が高いです。
このコーナーで新規上場のオーナー企業を紹介することで、憧れのテンバガー銘柄選びの参考にして頂ければと思います。
今回は、3月に上場したこの企業を取り上げます。

目次
創業社長
社長紹介
では、見事東証マザーズに上場を果たした創業社長をご紹介します!
比木 武社長です!!

非常に素朴で柔らかい印象を受ける社長さんです。
比木社長は同志社大学法学部を卒業後、住友商事(株)に入社。
同社退職後の2005年には米国ヴァージニア大でMBAを取得され、2007年より楽天(株)にて事業戦略や組織改革の業務に従事されます。
2008年に同社を退職した後は医療従事者向けの情報サイトの立ち上げに参画し、2011年よりWelbyを創業されています。
株主へのメッセージ
この度、株式会社Welbyは、2019年3月29日に東京証券取引所マザーズ市場に上場いたしました。
創業以来、"Empower the Patients"のミッションのもと、多くの医療者、患者さん、ご家族と共に、PHR(Personal Health Record)サービスを提供してまいりました。我々のミッションは、創業以来変わらず、患者さんとご家族をサポートし、「自ら情報を得て」「自ら行動し」「自ら判断する」手助けをすることです。
テクノロジーの進歩と、実際の臨床現場での様々な導入事例の蓄積により、患者さんと医療者が共に疾患治療に取り組むPHRの利用シーンはここ数年大きく拡大・発展してまいりました。今後もスマートフォンアプリという形態に限らず、患者さんの治療に貢献するツールは時代と共に変化をしていくことと思われますが、我々Welbyは、こうしたテクノロジーを最大限に活用して、疾患治療で患者さんがより良い医療を受けられるよう、患者さん、ご家族及び医療者をサポートしてまいります。
今後は更にしっかり臨床の現場で評価されるサービスを目指して、多くの患者さん・ご家族、医療者と対話を繰り返してサービスの改善、治療アウトカムの向上に貢献して参りたいと思います。
引き続きのご指導・ご鞭撻の程、何卒よろしくお願いいたします。HPより引用
テクノロジーを有効に活用することで、医療者や患者にとってより便利なサービスの提供を今後も期待させてくれるメッセージですね。
では株式会社Welbyの会社概要をみていきましょう。
会社概要
MISSION(ミッション)
"Empower the Patients" テクノロジーとデータで患者中心医療の実現に貢献する
Welbyは一人ひとりに最適な治療を提供する為にPHR(Personal Health Recoed)サービスの提供を通じて患者をサポートし、”患者中心の医療”の実現に貢献することをミッションとしています。
事業内容
下記、株式会社Welbyの事業内容になります。
疾患データサービス会社。疾患ソリューションサービス(製薬企業からの依頼によるPHRプラットフォームの開発)、Welbyマイカルテサービス(生活習慣病全般・予備軍患者の自己管理をサポート)を提供。疾患ソリューションサービスはがん、特定慢性疾患領域において患者・医療従事者向けに疾患治療における自己管理や治療継続を支援、PHR(Personal Health Record)プラットフォームサービスを開発・運営、製薬企業向けにプロダクトや疾患ごとのマーケティングを支援。Welbyマイカルテサービスはスマホアプリから血糖値・血圧・体重などの記録や食事の写真・摂取カロリーを入力、入力したデータをクラウド(インタ-ネット)上で統合して管理できるPHRサービスを提供。2018年デジタルガレージ<4819>と資本業務提携。2019年スズケン<9987>と資本業務提携。主要取引先は大日本住友製薬、マルホ、ヤンセンファーマ、ブリストル・マイヤーズスクイブ。
引用:マネックス銘柄スカウター
Welbyの事業としては、通院時に医師よりサービスの紹介を受けた患者が、アプリなどで自身の情報を登録・管理し、そのデータを医療機関と共有することで、次回以降の診察で医師と共にデータを見ながらその後の療養指導に活かすというPHRサービスの提供です。

大きく分けて、疾患ソリューションサービスとWelbyマイカルテサービスの2つのサービスがあります。
疾患ソリューションサービス
疾患ソリューションサービスは製薬企業からの依頼によるPHRプラットフォームの開発になります。
様々な疾患において、自己管理支援・治療支援サービスを展開しており、今後も対象疾患領域の拡大を目指しています。
以下、現在提供しているアプリになります。

また、アプリを利用している患者ユーザー数は19年12月末現在で68万人超に普及しています。

Welbyマイカルテサービス
自身の情報を管理するツールとして、「Welbyマイカルテ」というアプリを提供してます。
この「Welbyマイカルテ」は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病患者や、生活習慣病を予防したい方が血圧・血糖値・運動・食事などの健康に関わる自己管理をサポートしてくれるものです。
このデータを基に医師などがデータをモニタリングして療養指導やアドバイス等を提供・サポートをしたりする為のPHRサービスとなっています。

業績・指標
売上推移

2019年は売上が前年比ー1.2%となっており、利益面でも大きくマイナスとなっております。
これは、一部開発案件の翌期への納品の期ずれやWelbyマイカルテサービスに関連する一部プロジェクトの翌期以降への先送りによるものが主な理由になります。
今後の成長戦略としては既存事業で拡大しつつ、エビデンスソリューションや疾患領域別プラットフォームの推進といった新規分野へも積極的に取り組んでいくとの事ですので、長期的には更なる規模拡大も見込めます。
指標

2/28時点の株価は1,300円です。
時価総額の部分ではテンバガー要件を満たしていますが、株価水準的には、テンバガーを狙うにはもう少し落ちてきてほしいところです。
また、前期は当期純利益が赤字を計上している為、ROE・ROA共にマイナスになっています。
自己資本率は91.2%とかなり高いですが、配当はまだありません。
チャート

2/28時点の週足チャートです。
上場からしばらくは4,000円前後でヨコヨコの動きとなっていましたが、昨年の9月上旬頃の米中貿易摩擦が落ち着いて相場がリスクオンムードになった際、資金が流れて一気に下降トレンドに入りました。
現在も日足・週足チャート共に下降トレンドを継続しており、どこで底値を打つかが焦点となっている状況です。
購入の際は反転の兆しを見逃さない様、注意深く見守っていく必要がありますね。
まとめ
Welbyは、最終的に総合的な医療ITプラットフォームを目指しており、超高齢化社会を迎える日本にとっては今後も成長余地が十分に見込める分野になります。
現在は下降トレンドが続いており、取り扱い分野への期待先行な面はありますが、適正水準まで下りてきてからの成長性と上値余地は魅力的だと思いますし、長期的なテンバガーの可能性も十分考えられると思います。
以上、株式会社Welbyの銘柄紹介となります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。